インフルエンザの療養期間について|外出はしてもいい?

インフルエンザ療養期間

毎年冬になると、インフルエンザで学級閉鎖になったというニュースをよく聞きますよね。

学生ではインフルエンザに罹患すると一定期間の出席停止が必要であることは皆さんも経験されたことがあるかと思います。

一方で社会人がインフルエンザに罹患した場合にはどのような取扱いになるのか、どの程度の療養期間が必要であるかはあまり知られておりません。

今回はインフルエンザになってしまった場合の療養期間やその考え方について解説いたします。

インフルエンザの療養期間とは

インフルエンザ療養期間

インフルエンザウイルスは感染力の強いウイルスです。

保育所や学校のような大人数が集団で集まり交流を行うような場所では急速に感染を拡大します。

インフルエンザは一般的な風邪よりも症状は重く、40度前後の発熱や強い倦怠感などが出現します。

ときに痙攣や意識障害が出現し、死亡したり、後遺症を残してしまったりすることもあります。

このような重症化(インフルエンザ脳症)は10歳までの小児に多く、また10歳以降も一定割合でみられます。

このようにインフルエンザは感染力が強く、重症化のリスクもある疾患です。

流行期には手洗い・うがいや予防接種などの感染予防に加え、罹患した場合に周りに感染させないことも重要となります。

インフルエンザは飛沫感染や接触感染により伝染するため、感染予防にはインフルエンザに罹患した人との接触を避けることが有用です。

感染した方は、感染力が強い期間は療養期間として人との接触を控えることが感染拡大の予防となります。

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インフルエンザの出勤・出席停止の考え方

インフルエンザ療養期間

インフルエンザの感染期間は発症前日~発症3~7日間で、発症3日目前後が最も感染力が強いといわれています。

そのため、学校保健安全法で以下をインフルエンザによる出席停止期間と定めており、幼稚園~大学の児童生徒・職員はこの基準を順守する必要があります。

「発症した後 5 日を経過し、かつ、解熱した後 2 日(幼児にあっては、3日)を経過するまで」

この基準を満たしていれば鼻水などの症状が残存していても出校しても良いです。

しかし、ウイルスの排出期間には個人差もあるため、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合にはマスクを着用する等、周りの方へうつさないような配慮をしましょう。

※「発症した後5日」とは、発症日を0日として5日目までを指します。
そのため、月曜日に発症した場合には、土曜日までが発症した後5日にあたります。

学校保健安全法の対象とならない人の場合でも、公衆衛生上は学校保健安全法に準じた対応が望ましいと考えられますが、公的な取り決めはなされていません。

そのため、学校職員以外の方の出勤の可否に関しては、勤務先の就業規則に従う必要があります。

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インフルエンザの療養期間の過ごし方について

インフルエンザ療養期間

インフルエンザは飛沫感染や接触感染により感染が広がります。

飛沫感染では換気の良い場所では2m以上離れれば感染のリスクは大幅に減少するとされています。

また、飛沫にはマスクやカーテンなどの遮へい物も有効です。

密閉した室内などの換気の悪い場所ではウイルスの濃度が高くなってしまいます。

そのため、離れていたとしても感染をしてしまうリスクが高くなり、患者が長時間滞在した部屋の利用などでも感染してしまう可能性があります。

また接触感染では患者が利用した衣類やタオルなどを介してウイルスが手などに付着し、ウイルスが鼻や口などの粘膜に接触することで感染をしてしまう可能性があります。

発症から5日間は自宅療養が好ましいですが、自宅療養中は家庭内感染のリスクが非常に高くなります。

家庭内感染への対策として、以下などが有用と考えられます。

外出後の手洗い・うがいなどの普段の感染対策に加えて下記のことを心がけて生活いただければと思います。

可能な範囲で接触を避ける
✅換気は積極的に行う
✅接触が必要な場合にはマスクを装着する
✅食事などでマスクを外す際には2m以上離れる
✅タオルなどの共有は避ける
✅患者の入浴は最後に行うか、換気扇などを利用して入浴後に十分な換気を行う
✅患者の衣類などに触れた際には手洗いをする

家族がインフルエンザになったら外出は控えるべき?

インフルエンザ療養期間

インフルエンザは1~3日の潜伏期間があり、発症前日から感染力があります。

そのため、家族がインフルエンザとなった場合には、3密(密閉・密集・密接)となるようなイベントへの参加は避けたほうがよいでしょう。

換気の良い場所ではマスクの着用などの感染対策を行い、密接を避ければ、感染リスクはそれほど高くないと考えられます。

買い物などの外出に関してはマスクの着用などの感染対策を行えば、行っていただいて構いません。

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インフルエンザの療養期間が終わったあとに気をつけること

インフルエンザ療養期間

インフルエンザの療養期間が終わった時点で症状が消失していれば普段通りの生活に戻っていただいて構いません。

しかし、咳や鼻水などが残っている場合には、マスクを着用するなどの感染対策は継続しましょう。

また、解熱していても咳や咽頭痛などの残っている症状が重い場合には他の感染症を併発している場合やインフルエンザの改善が不十分な場合があるため、医療機関で相談しましょう。

インフルエンザの療養期間中に症状がぶり返す可能性はある?

インフルエンザ療養期間

インフルエンザでは日中に解熱して夜間に再度発熱してくるなどの症状の変動はみられます。

解熱剤の内服をしている場合には薬が切れたタイミングでの症状の悪化が多いです。

しかし、薬を内服していない場合でも症状の変動はあるため注意が必要です。

頭痛や関節痛、倦怠感などは解熱とともに改善してくることが多いですが、鼻水や咳は解熱した後に症状が目立つようになり、その後に続くことがあります。

経過観察で問題ないことが多いですが、日常生活に支障がある場合には他の感染症を合併している場合がありますので、医療機関で相談しましょう。

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発熱等の症状は横浜内科・在宅クリニックへ

新型コロナウイルス感染症の蔓延以降、発熱患者の診察を制限している医療機関もありますが、横浜内科・在宅クリニックでは発熱した患者様の診察も積極的に行っております。

インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の抗原検査だけでなく、その他、血液検査や身体診察などから必要に応じて薬物療法や高次医療機関への紹介を行うことが可能です。

患者様の健康を第一とし、患者様に寄り添った医療を提供しておりますので、発熱でお困りの際には横浜内科・在宅クリニックをご利用ください。

まとめ

インフルエンザは毎年の冬に流行し、学級閉鎖などの原因となる感染力の強い病気です。

予防接種や手洗い・うがいなどの感染予防も重要ではありますが、罹患した方が必要な期間の療養・感染対策をすることで感染の拡大を防ぐことも非常に重要です。

適切な療養期間や感染対策の方法を決めるためにも、特にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の流行期には発熱の原因を調べることが重要となります。

発熱でお困りの際には早期に医療機関でご相談ください。

参考文献

関西労災病院HP
厚生労働省PDF
国立感染症研究所HP

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者