コロナ後遺症で頭痛が起こる理由|偏頭痛との見分け方や対処法について

後遺症頭痛

こんにちは! 横浜内科・在宅クリニック 院長の朝岡です。

2023年現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界中で何百万人もの人々に影響を与えています。

最近では第9波が来ていると騒がれていますが、多くの感染者は1,2週間程度で元通りに回復します。

しかし、一部の人々は「ロングコロナ」と呼ばれる、様々なコロナ後遺症を経験しています。

よくみられる症状の一つに『頭痛』があります。

今回は、コロナ後遺症で頭痛が起こる原因や、頭痛以外の後遺症状、偏頭痛との見分け方などについて詳しく説明していきます。

コロナ後遺症で頭痛になる原因

後遺症頭痛

コロナ後遺症で頭が痛くなるのは、まだはっきりとした理由がわかっていません。

一部の研究では、炎症反応や免疫系の活性化が関与している可能性を示唆しています。

特に新型コロナウイルスは、「サイトカインストーム」と呼ばれる強力な免疫反応を引き起こすことがあります。

この免疫反応が、炎症と痛みを引き起こします。

コロナ感染時の急性期時には約半数の人が頭痛を発症しており、約4人に1人は最初に現れた症状が頭痛だったと報告しています。

さらに、ストレスや不安、睡眠障害などの心理的な影響も頭痛を引き起こす原因になる可能性があります。

これはコロナ体験自体、または感染による隔離によって、社会的な会話から排除されることでおきる生活の変化が原因である可能性があります。

コロナ後遺症で頭痛以外でよくみられる症状

後遺症頭痛

コロナにかかった後に他の後遺症が残るかどうかは人によって違います。

海外の報告では診断から2か月で72.5%、診断から6か月で54%の方が何らかの症状を訴えていると報告があります。

コロナの後遺症としては、頭痛以外には次のようなものがあります。

   ✅倦怠感
   ✅息苦しい
   ✅ブレインフォグ(集中力の低下)
   ✅髪の毛が抜ける
   ✅嗅覚・味覚障害
   ✅咳が出る
   ✅頭痛
   ✅手足がしびれる

この中でも倦怠感や、ブレインフォグについては日常生活への支障が出る場合も特に多く、病院に受診される方が非常に多いです。

▶︎発熱の基準は何度から?外来に行くべき目安やよくある症状を解説 

その他考えられる頭痛の原因

頭痛は、コロナ後遺症以外にも様々な原因があります。

   ✅ストレス
   ✅眼精疲労
   ✅筋肉の緊張
   ✅脱水症
   ✅睡眠不足
   ✅食事のパターンの変化
   ✅特定の食品や飲料の摂取
   ✅他の医療状況(例えば高血圧や糖尿病)など

原因は多岐に渡ります。

コロナ感染後の頭痛と言ってもコロナ後遺症とは限らないため、思い当たることがあれば医師に相談しましょう。

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コロナ後遺症における頭痛と偏頭痛の見分け方

後遺症頭痛

頭痛と言っても色々な種類があり、その中でもよく起こるといわれているのが「偏頭痛(片頭痛)」です。

この偏頭痛とコロナにかかった後の頭痛は、痛む部位や痛み方で区別することができます。

コロナ後遺症の頭痛は、頭全体に痛みを感じます。

偏頭痛の場合通常は、頭の片側だけに脈を打つような強い痛みを感じます。

また、偏頭痛は光や音に敏感になったり吐き気をもよおしたり、目の前に歯車のようなものが見えたりするような症状を伴う場合があります。

特徴を理解しておくと、偏頭痛との違いをすぐに判別できると思います。

コロナ後遺症で頭痛になったら鎮痛剤を使用してもいい?

後遺症頭痛

基本的に、頭が痛くなったら薬を飲んでも大丈夫です。

薬は一時的に痛みを和らげてくれます。

ただし、これは一時的なものであって、長期的な解決策にはなりません。

長期的に乱用すると、肝臓や腎臓にダメージをきたすことにつながったり胃潰瘍をきたす可能性があります。

また、頭痛が頻繁に起こる場合や鎮痛剤が必要な場合は、その原因を特定し適切な治療を受けるために医師の診察を受けるべきです。

コロナ後遺症で頭痛が治らないときは

後遺症頭痛

   ✅頭痛が何日も続く
   ✅頭が痛くなるパターンや強さが変わる
   ✅薬を飲んでも効かない
   ✅他の深刻な症状(熱が出る、目が見えにくくなるなど)がある

上記のような症状は、単なる頭痛よりも深刻な状況を示す可能性があり、適切な診断と治療が必要となります。

また、コロナ後遺症としての頭痛が持続する場合、専門の医療機関に受診して最善の治療法を行うことが重要です。

ご自身の健康を守るためにも、自己診断や自己治療に頼るのはやめましょう。

あなたの体は、コロナにかかってから回復するまでの間に大きな負担を受けており、その過程で適切なサポートとケアがないと完全に回復することはできません。

少しでも早く適切な回復を目指してほしく、そのためにも是非医師の診察を受けるようにしてください。

横浜内科・在宅クリニックでの対応方法

横浜内科・在宅クリニックでは頭痛やその他の症状などを問診で確認、一つ一つ身体診察や採血を行うことで、まずはコロナ後遺症で症状が起きているのかを診断します。

コロナ後遺症以外の疾患が隠れている場合は、そちらの治療も並行して行います。

必要があれば高次医療機関への紹介を行います。

いつでも当院は診療を受け付けていますので、お気軽にご来院ください

横浜内科・在宅クリニック院長 朝岡が実際に経験した例!

実際に3か月前にコロナにかかってから頭痛が取れないことを主訴に受診された方がいました。

ご自身ではコロナの後遺症で痛いと信じていましたが、しっかりと問診を行うと、コロナ感染後から、うまく睡眠がとれていなく、仕事場でもストレスをかかえていたとのことでした。

まずは睡眠をとるように対応をしたところ、頭痛が嘘みたいになくなった方がいらっしゃいました。

頭痛といっても様々であり、適した治療も異なりますのでご注意ください。

まとめ

今回はコロナ後遺症における『頭痛』に絞って解説してきました。

頭痛の原因は様々であり、誰に生じてもおかしくない症状です。

QOL(Quality of life・生活の質)を著しく低下させ、社会復帰が困難になりえる症状です。

今回の記事が誰かの一助になれたら幸いです。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

 参考文献

‣厚生労働省『新型コロナウィルス感染症診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第1版』
‣日経経済新聞『新型コロナ感染の頭痛は3タイプ 3カ月続いた症例も』

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者