
吐き気や嘔吐、腹痛などの症状を起こすウイルス性胃腸炎という病気をご存知でしょうか。
ウイルス性胃腸炎とはウイルスなどに感染することによって腹部の症状を起こしてしまう、日常的によくある病気の1つです。
それではウイルス性胃腸炎はどのような病気で原因や症状にはどういったものがあるのでしょうか。
この記事ではウイルス性胃腸炎の原因や感染経路、症状などについて解説します。
家来るドクターでの往診の対応についてもご紹介しています。
ぜひ最後までご覧になって、参考にしてみてください。
- 1. ウイルス性胃腸炎の原因・感染経路
- 1.1. ノロウイルス
- 1.2. ロタウイルス
- 1.3. その他のウイルス
- 2. ウイルス性胃腸炎の潜伏期間
- 3. ウイルス性胃腸炎の症状
- 3.1. 吐き気と嘔吐
- 3.2. 下痢
- 3.3. 腹痛と腹部不快感
- 3.4. 発熱
- 3.5. 全身の倦怠感
- 4. ウイルス性胃腸炎で下痢のみが起きてしまう理由
- 5. ウイルス性胃腸炎はうつる可能性がある?
- 6. ウイルス性胃腸炎になったら仕事は何日休むべき?
- 7. ウイルス性胃腸炎になったときの食事について
- 8. ウイルス性胃腸炎の治し方・何日で治る?
- 9. 横浜内科・在宅クリニックでの対応方法
- 10. 神奈川県で急な往診は横浜内科・在宅クリニックをご利用ください
- 11. まとめ
ウイルス性胃腸炎の原因・感染経路
ウイルス性胃腸炎を起こす代表的なウイルスとその感染経路について解説していきます。
ノロウイルス

ノロウイルスは、主にヒトに感染し、胃腸炎を引き起こすことで知られています。
ウイルスは感染者の便や嘔吐物中に多く存在し、感染は直接触れることや飲食物の摂取によって広がります。
感染源としては、感染者の食品、感染者の糞便・吐物や、これらが付着した物品類、そして牡蠣などの貝類などが代表的な感染経路です。
ロタウイルス

ロタウイルスも、主にヒトに感染し、胃腸炎を引き起こすウイルスです。
感染者の便や嘔吐物中に存在し、感染は感染者との接触や感染者の排泄物に触れた後にウイルスが付着することによって広がります。
特に乳幼児や幼児は感染しやすく、集団感染が発生することがあります。
その他のウイルス

ノロウイルスとロタウイルス以外にも、アデノウイルスやアストロウイルスなど、さまざまなウイルスがウイルス性胃腸炎を引き起こす原因となります。
これらのウイルスも、感染者の便や嘔吐物を介して感染が広がります。
感染経路としては、ウイルスが食品や水といった経口摂取物に直接付着し、それを摂取することによる感染が一般的です。
また、感染者の手や汚染された表面にウイルスが付着し、その後手や食品に触れることで感染することもあります。
さらに、感染者との密接な接触によっても感染が広がることがあります。
予防策としては、手洗いや衛生的な習慣の実践が重要です。
特にトイレ使用後や食事前、食品の調理前など、適切なタイミングでの手洗いを行うことが重要です。
また、感染者との接触を避けることや、感染者がいる場所での食事や飲み物の摂取を避けることも推奨されます。
公共の場での手指の消毒や、食品の十分な加熱も感染予防の重要な対策となります。
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ウイルス性胃腸炎の潜伏期間

潜伏期間とは体にウイルスが感染して、ウイルスが増殖しているものの、症状がまだ出ていない時期を指します。
ウイルス性胃腸炎の潜伏期間は原因となるウイルスによって異なります。
原因となるウイルス毎に潜伏期間の目安をお示しします。
ウイルス | 潜伏期間 |
ノロウイルス | 1〜2日程度 |
ロタウイルス | 1〜3日程度 |
アデノウイルス | 2〜10日程度 |
これらは一般的な期間ですので、症状が出現するまでの期間には個人差があります。
また、症状が現れる前から感染力を持つこともあるので、感染予防のためにも普段から手洗い、手指衛生に気を付けることが大切です。
ウイルス性胃腸炎の症状
ウイルス性胃腸炎は、感染したウイルスによって胃腸に炎症を起こす病気です。
一般的な症状は以下のようになりますが、個人によって症状の程度や経過は異なる場合があります。
吐き気と嘔吐

吐き気や嘔吐はウイルス性胃腸炎でよく起こる症状です。
嘔吐の回数が多い場合や、吐き気で水分が摂取できない状態が続くと脱水症状を起こしてしまうこともあります。
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下痢

水っぽい便や軟便が現れます。
下痢は頻繁で、水のような便が大量に出ます。
一般的に血便はウイルス性の胃腸炎では起こりませんが、痔核などがある方は何度も排便することによって便に血が混じる場合もあります。
腹痛と腹部不快感

腹痛や腹部不快感も多い症状の一つです。
痛みは軽度から中程度のもので、腹部に全体的に生じることが特徴です。
腹部の特定の箇所が痛い場合にはウイルス性胃腸炎以外の別の病気の可能性があります。
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発熱

体に炎症起こる結果として、発熱が生じることがあります。
一般的に38℃以上の高熱まででることは少なく、解熱剤やクーリングで対応できることがほとんどです。
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全身の倦怠感

疲労感や体のだるさが現れることがあります。
これらの症状がそろっている場合には臨床的にウイルス性胃腸炎と診断することができます。
しかし、発熱と腹部の特定の部位の痛みなどの場合には虫垂炎や胆嚢炎などの別の病気の可能性もあります。
注意して症状を観察することが大切です。
ウイルス性胃腸炎で下痢のみが起きてしまう理由

ウイルス性胃腸炎にかかった多くの方は下痢のほかに、嘔気や嘔吐、腹痛などの症状を起こします。
しかし、中には下痢のみの症状の方もいます。
下痢はウイルスが腸の細胞に感染した結果、炎症を引き起こすことで腸からの分泌液が増加し、運動が亢進※1(こうしん)することで起こります。
※1亢進…高い度合に(まで)進むこと
嘔気や嘔吐、腹痛の現れ方には個人差があります。
そのため、ウイルス性胃腸炎にかかった方の中には症状が下痢だけという場合もあるのです。
ウイルス性胃腸炎はうつる可能性がある?

ウイルス性胃腸炎は感染性のある病気なので、他の人に感染する可能性があります。
症状がある時にはウイルスが排出されています。
感染した人の接触は可能な限り避けて、手洗いやアルコールでの手指消毒などを徹底することが大切です。
また、特にノロウイルスでは、症状が消失した後も3〜7日間ほど患者の便中にウイルスが排出されます。
症状がなくなった後でも感染対策をしっかりと行うことが重要です
ウイルス性胃腸炎になったら仕事は何日休むべき?

ウイルス性胃腸炎になったときの休職について、法律上の出勤停止日数は定められていません。
しかし、会社ごとに定める「就業規則」に日数の規定がある場合があるので、必ず職場に確認するようにしてください。
原則として、嘔気や嘔吐、腹痛、下痢などの症状が続いている間は業務に支障があるので休業することが望ましいと言えます。
その後の復帰時期については一概には言えません。
しかし、ノロウイルスでは、発症から1週間程度はノロウイルスが排出されています。
飲食業では1週間程度は出勤停止にする所が多くみられます。
ウイルス性胃腸炎になったときの食事について

ウイルス性胃腸炎になってしまった時に注意する食事について解説していきます。
まず脱水症状にならないように水分を十分に摂取するようにしてください。
ウイルス性胃腸炎では嘔吐や下痢によって水分が失われてしまいやすい状況にあります。
また嘔気のため水分摂取も難しいのですが、こまめに水を飲むことが大切です。
また、水だけでは電解質が補給できないので、電解質が入ったOS-1などの経口補水液を飲むことがおすすめです。
食事については消化吸収をしやすいお粥や果物などの摂取が有効です。
逆に、脂っこい食事や香辛料の入った食事、カフェインやアルコールなどの刺激の強い食品は控えるようにしましょう。
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ウイルス性胃腸炎の治し方・何日で治る?

ウイルス性胃腸炎になった時には脱水症にならないように水分を十分に摂取しながら、消化にやさしい食事を取るようにしましょう。
またビフィズス菌や乳酸菌などが含まれた整腸剤は早めに症状を和らげるのに役立ちます。
整腸剤は市販もされていますし、病院を受診した際にも処方してもらうことができます。
これらの対応でもともと健康な方であれば1週間程度で自然によくなります。
しかし、小児や高齢者、持病を持っている方では脱水症になってしまう方もいらっしゃいます。
そのような場合には病院での点滴や病院受診も難しいほど辛いときには往診の利用も検討してみてください。
横浜内科・在宅クリニックでの対応方法
ウイルス性胃腸炎は軽い病気と考えられがちですが、思いがけず悪化してしまう場合があります。
横浜内科・在宅クリニックでは丁寧な問診、診察を行い、診断を行います。
必要があれば採血などで脱水の評価、点滴での加療をおこないます。
ご本人、ご家族と相談をしてご納得のいける治療を提供できるように対応いたしますので、お困りの際にはいつでもご相談ください。
神奈川県で急な往診は横浜内科・在宅クリニックをご利用ください
横浜内科・在宅クリニックでは、夜間休日の急な体調不良に対しても、家来るドクターとして往診することが可能です。
丁寧な問診と診察を行い、症状に応じた薬の処方から、脱水症状がみられる患者様には点滴の処置も行っています。
点滴だけでは改善が難しいほど全身状態が悪化していると判断される場合にはかかりつけや近隣の総合病院にご紹介することも可能です。
お困りの際にはいつでもご相談ください。
まとめ
今回は、ウイルス性胃腸炎の原因や感染経路、症状などについて解説しました。
ウイルス性胃腸炎はウイルスに感染することによって胃腸に炎症を起こし、嘔気、嘔吐や腹痛、下痢を起こす疾患です。
通常は数日から1週間程度で特別な治療をせずとも改善します。
しかし、中には脱水症状のため状態が悪化してしまう方もいます。
夜間休日などの急な症状の悪化によって病院受診ができない場合でも往診なら、すぐに診断、治療を行うことが可能です。
心配な症状がある時には、ぜひお気軽にご相談してください。
参考文献
‣ノロウイルス感染症とは|国立感染症研究所
‣ロタウイルス感染性胃腸炎とは|国立感染症研究所
整形外科医 Dr.三浦隆徳
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者