黄砂アレルギーとは?人体への影響やPM2.5との違いについて解説
春頃になるとよく耳にする「黄砂」ですが、言葉で聞いたことはあっても、人体にどのような影響があるのかをよく知らない方もいるかと思います。
今回は、黄砂による人体の影響や対策などについてご紹介させていただきます。
- 1. 黄砂とは
- 2. 黄砂アレルギーの症状│人体への影響とは
- 2.1. アレルギー性結膜炎
- 2.2. アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
- 2.3. 気管支喘息・アトピー咳
- 2.4. 肌荒れ
- 3. 黄砂アレルギーのピーク時期はいつ?
- 4. 黄砂への対策
- 4.1. 【外出時】フィルター付きのマスクを使用する
- 4.2. ツルツルした生地の衣類を着る
- 4.3. 帰宅時は玄関で払い落とす
- 4.4. 窓を閉める
- 4.5. 空気清浄機を作動させる
- 4.6. 洗濯物は室内干し
- 4.7. こまめな掃き掃除
- 5. 黄砂アレルギーの治し方は?
- 6. 黄砂とPM2.5の違いは?
- 7. 黄砂が花粉症を悪化させる?
- 8. 横浜内科・在宅クリニックでできる対応
- 9. まとめ
黄砂とは
黄砂の現象とは、中国大陸内部のゴビ砂漠、タクラマカン砂漠や黄土地帯から強風によって、数千メートルまで吹き上げられた大量の粒子などが日本に飛来し、浮遊しつつ降下する現象のことです。
近年では、頻度と被害が甚大化しており、単なる自然現象から森林減少や土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっています。
他にも、化学物質を含んだ黄砂は呼吸器系の病気や黄砂アレルギーを引き起こしたり、農作物に害を与えたりします。
関連記事:花粉症の治し方はある?喉のイガイガや目の腫れの対処法を解説
黄砂アレルギーの症状│人体への影響とは
黄砂アレルギーとは、黄砂や黄砂に付着して飛んでくるアレルギーを引き起こすPM2.5やほこり、ダニなどの物質によって引き起こされるアレルギー疾患のことです。
どのようなアレルギーや影響があるかを紹介します。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性鼻炎とは、黄砂に付着して一緒に飛んでくるほこりやダニが目の表面に付着し、アレルギー反応によって結膜に炎症が起きる病気のことです。
目が赤くなる、痒くなる、腫れる、涙が出る、糸を引くほどの目やにが出るなどの症状が出ます。
アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
アレルギー性鼻炎とは、ほこりやダニが鼻の粘膜に付着し、アレルギー反応を起こすことです。
透明の鼻水や鼻づまり、くしゃみの症状が出ます。
副鼻腔炎とは、副鼻腔の中に起こる炎症のことで、蓄膿症とも言います。
アレルギー性鼻炎と併発する可能性が高く同じ症状が起こります。
気管支喘息・アトピー咳
気管支喘息とは、気管が慢性的に炎症を起こし、何らかの刺激が加わった時に種々の程度で細くなり、呼吸困難や咳、喘鳴(ヒューヒューという呼吸)といった症状が発作性に起こる病気です。
アトピー咳とは、気管支喘息のような呼吸困難発作は認めないが、咳だけが長く続く病気です。
喘鳴や呼吸困難発作がなく、喉に掻痒感を伴った乾いた咳が唯一の症状です。
黄砂が気管支に入ることで、咳や痰、のどのいがいが感などの症状が起こります。
肌荒れ
黄砂に含まれるダニやカビ、ほこりなどが皮膚に付着することでアトピー性皮膚炎を発症・悪化し、粒子の刺激で肌荒れを引き起こします。
黄砂アレルギーのピーク時期はいつ?
黄砂は、実は1年中飛来しています。
特に2月から増加し始め、3月から5月の春季には偏西風が強く吹き乾燥した砂漠地帯から微小な粒子が舞い上がる為ピークを迎えます。
逆に、1月から2月・7月から9月は、風が弱く微小粒子が舞い上がることが少なかったり、雨が多くなったりする為黄砂が少なくなります。
関連記事:花粉症で喉の痛みは出る?対処法や風邪との違いを解説
黄砂への対策
黄砂もPM2.5や花粉と同様に吸い込まない、体に付着させないことが重要です。
しかし、どうしても外に出ないといけないかと思います。
そこで、【外出時】と【在宅時】での対策方法をいくつかお伝えいたします。
【外出時】フィルター付きのマスクを使用する
黄砂やPM2.5を防ぐのにマスクは必須です。
ですが、黄砂やPM2.5は粒子が小さい為通常のマスクだと完全に防ぐことが難しいです。
できるだけ細かい粒子を防ぐフィルターのついたマスクを選ぶと良いでしょう。
しかし、N95マスク以上の高性能マスクだと息苦しいです。
製品によって異なりますが、不織布マスクで黄砂対策しても問題はないです。
ツルツルした生地の衣類を着る
外出するときには、粒子が落ちやすいようにツルツルした生地の衣類を選ぶようにしましょう。
帰宅時は玄関で払い落とす
外出から帰った際には、玄関前で服や髪をはたいて、黄砂を室内に入れないようにしましょう。
窓を閉める
天気予報を見て、黄砂が多く飛んでいる日は窓を開けないようにしましょう。
喚起をする場合は、カーテンなどを閉めたまま10㎝ほど開けて短時間で空気を入れ替えるのも効果的です。
空気清浄機を作動させる
室内にいる時は、黄砂やPM2.5に対応している空気清浄機を使い、空気中にある黄砂の量を減らしましょう。
また、締め切った部屋だと湿度がこもりやすくなる為、除湿機能の付いた空気清浄機を使うことも効果的です。
洗濯物は室内干し
外に干した洗濯物にも、黄砂が付着してしまうので、黄砂の多い日はなるべく外干しを避けるようにしましょう。
外で干す場合は、黄砂が付着しているので洗濯物をはたいてから取り込みましょう。
こまめな掃き掃除
人の出入りやドアの開け閉めで室内に入ってしまった黄砂は、こまめに掃いて掃除をしましょう。
一緒に網戸やエアコンのフィルターの掃除するようにしましょう。
黄砂アレルギーの治し方は?
黄砂の治療薬や特異的な治療法はありません。
黄砂によって出たアレルギー症状や咳症状は薬を使い症状を抑えつつ、黄砂をなるべく排除する生活環境を整えることが大切になります。
黄砂とPM2.5の違いは?
多い地域 | 大きさ | 流行時期 | |
黄砂 | 中国大陸から日本に飛来することが多い為、西日本や北日本などの地域は特に発生しやすい。 | 約4マイクロメートル | 1年を通して日本列島に飛来していますが、特に2月頃から増加し3月~5月にピークを迎えます。 |
PM2.5 | 特に関東を中心とした都市部で多く見られます。 | 2.5マイクロメートル以下 | 基本的に1年を通して発生しますが、国内では例年冬から春先にかけてPM2.5の濃度が上昇します。 |
黄砂が花粉症を悪化させる?
黄砂がピークを迎える、3月~5月はスギ花粉の時期とちょうど重なります。
突然花粉症の症状が出る場合や、花粉が少ない日にアレルギー症状がある場合は、黄砂アレルギーかもしれません。
黄砂もPM2.5も春先に濃度が上昇するため、スギやヒノキ花粉の症状を悪化させる可能性があります。
横浜内科・在宅クリニックでできる対応
横浜内科・在宅クリニックでは、黄砂やPM2.5によるアレルギーに対しての診察や適切な対処方法をお伝えさせていただきます。
また、症状に合わせたお薬の処方も可能となっております。お困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。
まとめ
黄砂やPM2.5は、完全に無くすことは難しいですが、対策次第で症状を緩和することが出来ます。
黄砂が多く飛来している3月~5月は、健康の為にも外出時にマスクの着用や、こまめな掃除などの対策をしていきましょう。
参考文献
きし内科クリニック│その症状はスギ花粉ではなく「黄砂アレルギーかもしれません」
やなぎだ耳鼻咽喉科│黄砂と耳鼻咽喉科
ぎなん皮ふ科クリニック│黄砂、PM2.5による皮膚炎
Nojima│黄砂とは?時期はいつからいつまで?原因や症状、対策方法も解説
ハピコワクリニック五反田│黄砂・PM2.5と咳について
ケーファーマシー株式会社|黄砂による体への影響とは?/どんな症状?治療薬はある?
Nafias|黄砂とPM2.5の違いとは?平井時期や健康への影響を防ぐ4つの対策