子供の下痢が続くのは病気?受診すべきタイミングはいつ?
子供の下痢が長く続いてるけど、いつ病院に受診すればいいんだろう?
とご不安に思ったことございませんか?
患者様からもよく心配される声を聞きます。
今回は、子供の下痢が続く主な原因や病院を受診すべきタイミングなどをご紹介いたします。
- 1. 子供が下痢を続ける主な原因
- 1.1. ウイルス・細菌感染
- 1.2. 消化不良
- 2. 下痢が続く場合に気を付けること
- 3. 病気のサイン
- 3.1. 白っぽい便
- 3.2. 血便
- 4. 子供の下痢における適切な対処法
- 4.1. 水分補給の方法
- 4.1.1. 経口補水液の使用
- 4.1.2. 少量頻回での水分摂取
- 4.2. 食事管理
- 4.2.1. 消化の良い食事をとる
- 4.2.2. 油っこいもの・刺激物の避ける
- 5. 医療機関を受診すべき症状とタイミング
- 5.1. 脱水症状が見られる場合
- 5.2. 下痢が1週間以上続く場合
- 5.3. 血便がある場合
- 6. 家庭でできる予防策と注意点
- 6.1. 感染対策の徹底
- 6.2. 食事と水分摂取のバランスを保つ
- 7. 横浜内科・在宅クリニックでできる対応
- 8. まとめ:子どもの下痢が続く場合は病気のサインかも
子供が下痢を続ける主な原因
下痢症とは急性胃腸炎といいます。
吐き気や腹痛、下痢などの胃腸症状が出現する一過性の疾患です。
ウイルス・細菌感染
下痢の原因の約70%がウイルス性であり、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどです。
約15%が細菌感染性で、原因として食中毒のことがあります。
主に梅雨から夏に多く見られます。
その他の原因は、アレルギー性やストレス性、薬剤の副作用です。
消化不良
消化不良は、上腹部の痛みや不快感などの症状が現れます。
ガスが溜まった感覚や膨満感、焼けつくような痛みと表現されることもあります。
食べすぎや飲みすぎなどで消化しきれなかった食べ物やアルコールなどが腸を刺激することが原因です。
関連記事:水下痢の原因とは?腹痛がないのに止まらないのはなぜ?
下痢が続く場合に気を付けること
下痢が続く場合は脱水状態に注意しましょう。
下痢が起こると、腸の動きが悪くなり小腸で体内に水分が吸収されずに体外に出てしまうため、徐々に脱水症状が進行します。
- 脱水による体力低下、免疫力の低下
- 血栓ができやすくなり脳梗塞や心筋梗塞などのリスク
- ナトリウム、カリウムを失うことによる電解質異常による意識障害
脱水によって血液が濃くなると、上記のような副作用が出てきます。
病気のサイン
特定の病気のサインにも注意が必要です。
便の色というのは非常に大切な病気のシグナルなので、チェックしていきましょう。
以下の症状が見られる場合は救急病院へ受診しましょう。
白っぽい便
白い下痢は、白色便下痢症といい、ロタウイルスが原因のことが多いです。
他に、生まれつき胆道がないか、非常に狭く胆汁が消化管に出ないために便が白くなる先天性胆道閉鎖症があります。
血便
血便は、便に赤い血が混ざっている状態のことです。
赤く鮮やかな血液が混じっている場合は肛門に近い部分からの出血が疑われ、黒っぽくなるにつれて肛門から遠い場所で出血している可能性が高くなります。
また、粘液が混じる場合には、感染症の可能性があります。
脱水だけでなく、出血による貧血を起こす可能性があるため注意が必要です。
関連記事:腹痛と下痢が続くのはどんな病気?脱水症状に注意しよう
子供の下痢における適切な対処法
水分補給の方法
下痢が続く時は、胃腸を休める必要があるので、固形物は極力摂取しないようにしましょう。
- 吐き気が無い場合
- 飲んだ方が良いもの
- 白湯や冷たくないイオン飲料など
- 控えた方が良いもの
- 柑橘系のジュースや乳酸菌飲料、牛乳
水分不足による脱水症状を起こす危険性がありますので、水分補給は十分にしてください。
経口補水液の使用
下痢をしている時には、適度な糖分と塩分が入った経口補水液を飲ませてあげましょう。
経口補水液には、脱水時に不足している水分と糖分と塩分のバランスが調整されており、「飲む点滴」ともいえます。
少量頻回での水分摂取
乳幼児の場合は、体重1㎏あたり1日50〜100mlくらいが目安となります。
最初は、ティースプーン1杯を15分おきに飲ませてください。
1時間くらい続け、症状の悪化がなければ、少しずつ量を増やしましょう。
食事管理
いつもよりも便の水分量が多い下痢の時には、胃腸に負担がかかる食べ物や飲み物は摂りすぎないようにしましょう。
消化の良い食事をとる
下痢の時は腸への負担を避けるために消化の良い食事を摂るのが基本です。
下痢の時の食事としておすすめの物をご紹介します。
- おかゆ
- よく煮たうどん
- 柔らかく煮た野菜
- くず湯
- 白身魚
- ささみ
- 半熟卵
- りんご
- プリン
- ヨーグルト
- マシュマロ
油っこいもの・刺激物の避ける
逆に油っこいものや刺激物は胃酸を過剰に分泌させてしまい、症状を悪化させてしまう可能性があるので避けてください。
医療機関を受診すべき症状とタイミング
脱水症状が見られる場合
子どもや高齢者の場合は、高度の脱水症状になりやすいので脱水症状が見られたら、早めに医療機関を受診してください。
目安としては排尿の回数が少ない、皮膚をつまんで離した時に戻りが遅い、口の中や唇が乾燥している、です。
下痢が1週間以上続く場合
ほとんどの下痢の症状は1週間以内には自然に治るものですが、1週間以上続く場合は過敏性腸症候群や大腸がん、潰瘍性大腸炎などの病気の可能性があります。
また、水下痢と便秘が交互に繰り返される場合も、早めに医師に相談してください。
血便がある場合
子どもの血便の多くは急性胃腸炎ですが、腸重積や潰瘍性大腸炎などの病気が隠れていることもあります。
そのため、血便を伴う場合にも必ずかかりつけの小児科を受診することが重要です。
関連記事:ウイルス性胃腸炎の症状で下痢のみが起きる理由|何日で治る?
家庭でできる予防策と注意点
感染対策の徹底
家庭でできる予防策として一番大事なことは手洗いです。
嘔吐物などを片付けた時に手に付いたウイルスから感染してしまうことがあります。
次に換気です。
空気の出入り口を対角線となるように2カ所以上の窓を開け、室内にウイルスが停滞しないように換気をすることが大切です。
食事と水分摂取のバランスを保つ
食事や水分でバランスを保つことも大切になります。
食生活でアルコールや冷たい物を飲みすぎていないか、外食ばかりで栄養のバランスが乱れていないかなど腸の健康に良くないことをしていないかを考えて見直し、腸内をいい状態に保つことが大切です。
横浜内科・在宅クリニックでできる対応
横浜内科・在宅クリニックでは丁寧な問診、診察を行い、診断を行います。
採血などで脱水の評価、点滴での加療が必要な事もあります。
ご不安な方はいつでも当院に来院して頂ければ、ご対応させていただきますので、お気軽にご相談くださいね。
まとめ:子どもの下痢が続く場合は病気のサインかも
子どもの下痢は、様々な要因によって引き起こされる可能性がありますが、その症状や状態に応じて対処することが重要です。
特に、脱水や血便の症状が見られる場合は早めに療機関を受診することが必要となります。
また、感染対策や適切な食事と水分摂取のバランスを保つことも予防につながります。
参考文献
たまプラーザ南口胃腸内科クリニック|下痢のときは水分を控えるのは間違い?正しい対応を解説します
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者