子供のアザの原因は?注意すべきアザの種類や応急処置を解説
朝、子供を見た時は特に変わった様子はなかったのに、ふと気づくと体にアザができていた。
そんな経験ありませんか?
お子様に突然のアザが出来ているとお母さんや、お父さんは不安になってしまいますよね。
子供は大人と比べて活発に動き回るのでアザができやすい傾向にあります。
では、なぜ子供にアザができるのでしょうか?
本記事では、子供にできるアザの特徴や対処法などについて詳しく解説していきます。
子供のアザの原因とは?
転倒やぶつけてしまった
子供は日常の活動中に転倒や物にぶつかってしまうことがよくあります。
転倒や物にぶつかることにより、皮膚の下にある毛細血管が破れ、皮下出血が発生します。
この出血が皮膚を通して青紫色に見える状態が「青アザ」と言われる状態です。
特に膝やひじ、額など良く使う部分にできやすく、打撲を受けた場所が痛むことがあります。
スポーツや遊び中のケガ
スポーツや外遊びは子供にとって楽しい活動ですが、アザの原因にもなりがちです。
特に接触の多いスポーツや遊びなどは、夢中になって周りが見えなくなり、転倒や衝突が増え、アザができることがあります。
打撲や転倒によるアザは、皮膚が青く変色し、数日から数週間で自然に治っていくことが多いです。
ただし、アザが大きく腫れてしまったり、傷みが強いといった場合には医療機関へ受診するようにしましょう。
骨折や内出血
骨折すると、その部分周辺に強い痛みと腫れが生じることがあります。
同時に、折れた骨が周囲の組織を傷つけ、内出血が発生し皮膚にアザが見られることがあります。
特に骨折による内出血は、打撲や軽いけがなどとは違い、数日後にアザが現れることが多いのが特徴です。
アザの広範囲に及ぶ、腫れや痛みが長引くといった場合は、整形外科に受診し、適切な治療が必要になります。
血液の病気
血液の病気によって、体の表面にアザができたりする事もあります。
皮膚や粘膜に明らかな原因(打撲など)もないのに、出血斑(青アザや赤い点状出血)が出現するのが特徴です。
血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)
この出血斑は、血管壁の異常によって血液が漏れやすくなる為に起こります。
特に、小さな血管に影響しやすく、皮膚や粘膜に赤紫色の点状出血や青アザのような出血班が見られるのが特徴です。
子供に多くみられる病気で手足、おしりなどに紫斑が出現し、関節痛や、腹痛、腎臓にも炎症が生じ、腎炎を合併する事があります。
治療は、安静に保つことや症状に応じた薬を使用して行い、症状が改善されるまで数週間から数か月かかることがあります。
血小板減少性紫斑病
血小板減少性紫斑病は、血液中の血小板が異常に減少することで、出血しやすくなる病気です。
血小板は血液を固める働きを持ち、減少すると皮膚に紫色の斑点や青アザができやすくなります。
小児に多くみられる「突発性血小板減少性紫斑病(ITP)」では、免疫系が自分の血小板を攻撃してしまい発症します。
治療には、血小板を増やすための薬物療法や、免疫制御剤の使用が一般的です。
重症の場合は入院治療が必要になることもあります。
生まれつき
生まれつきのアザと言えば、赤ちゃんのお尻などに見られる青アザ「蒙古斑(もうこはん)」が有名です。
蒙古斑の多くは、特に治療をしなくても成長とともに自然に消えていきますが、まれにそのまま残る事もあります。
他には、生まれつきのほくろもアザの1つです。
その他、数種類の生まれつきによるアザがありますが、ほとんどのアザは身体に害を与えることはありません。
まれに、アザの形状や大きさが変化するものは他の病気と関連している場合があるため、経過観察しつつ、心配がある際は医師に相談しましょう。
子供のアザの見分け方
色の変化
アザは発生直後から時間の経過とともに色が変化していく特徴があります。
最初は赤紫色や青紫色をしており、これは皮下での出血が新しいということです。
その後、数日から1週間程度経過するにつれ、青色→緑色→茶色→黄色と色が変わっていきます。
これは、血液中のヘモグロビンが分解され、体内に吸収されていく過程によるものです。
色の変化が正常な場合は、アザは自然に治っていくと考えられますが、時間が経過しても色が変化しない場合、一度病院の受診を検討しましょう。
腫れや痛みの有無
通常、打撲や転倒によるアザが出来たときに、一時的に青紫色に腫れてしまう事があります。
これは皮膚の下に溜まった一時的な出血が原因で、数週間で勝手に消えていく事が多いので大きな問題はありません。
しかし、腫れが長引く、痛みが強い、熱感を伴う場合には注意が必要です。
特に赤紫色のアザが数時間経っても変化せず、悪化するようであれば、骨折や深い組織に損傷がある可能性があります。
早めに医療機関を受診しましょう。
アザの大きさ
アザの大きさは、軽い打撲であれば通常、患部を中心に数cm程度の丸いアザができることが多いです。
アザが異常に大きい場合や、広範囲に広がっているといった場合には、強い衝撃や深い部分の出血を伴っている可能性があります。
また、ぶつけたりした覚えがないなど原因のない広範囲のアザや、数が多い場合は、血液の異常や内臓の問題などの可能性があります。
早めに医療機関を受診し治療を受けることが望ましいでしょう。
子供のアザの家庭での対応
子供が打撲やアザを作ってしまったときは、家庭でできる応急処置として【RICE処置】を行いましょう。
下記の4ステップで構成され、アザの痛みや腫れを抑えるのに効果的です。
それぞれの方法について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。
- Rest(安静)
- Icing(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
安静(Rest)
ケガをしたら、まずは安静に保つ事が大切です。
安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。
無理に動かすと悪化してしまう可能性があるので、患部にタオルや添え木などを当てて固定します。
冷却(lcing)
患部を氷や氷水などで冷やします。
体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。
ただし、直接氷を患部に当てたり、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあるので必ずタオルなどの布に包んで使用しましょう。
圧迫(Compression)
患部にテープ等を巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。
テーピングや包帯を使用しての圧迫がおすすめです。
しかし、きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。
挙上(Elevation)
患部を心臓より高い位置に保ちます。
血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。
患部の下に座布団やクッション、たたんだ毛布などを敷くとよいでしょう。
関連記事:内出血の症状について!打撲や腫れたときの対処法を解説
子供のアザの受診のタイミング
治りが遅い場合や腫れ・痛みが強い場合、頭や胸、お腹を打撲した場合は病院を受診しましょう。
なかなか治らなかったり、痛みが強い場合は、骨折している恐れがあります。
また、頭や胸、お腹を打撲した場合は脳や内臓に傷がついている恐れがある為、すぐに病院を受診して検査を受ける事をおすすめします。
打撲の場合は、万が一、捻挫や骨折の場合でも治療を受けられるので、整形外科を受診しましょう。
横浜内科・在宅クリニックでできる対応
横浜・内科在宅クリニックでは、様々な病気に対する包括的な医療サービスを提供しています。
整形外科に関しては、専門的な対応が難しい場合がありますが、その場合は最適な病院への紹介を行っています。
何かお困りの際は、お気軽にご相談下さい。
夜間や、休日など外来診療時間外であればオンライン診療を行っております。
デジスマアプリから簡単に外来の診察予約・オンライン診療予約が可能です。
詳しくは以下の「WEB予約・オンライン診療予約はこちら」からご覧ください。
まとめ
子供は活発なことからアザを作りやすく、アザの原因や種類もさまざまです。
多くの場合、家庭で適切に【RICE処置】を行うことで自然に回復していきます。
しかし、骨折やその他の病気が関連している場合、別の処置や治療が必要になることがあります。
特に症状が長引く、痛みが強い、腫れがひかないといった場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
お困りの際は横浜内科・在宅クリニックへお気軽にご相談ください。
参考文献
久光健康情報|打撲とは?症状の部位別特徴や骨折との見分け方まで解説
【医師監修】風邪のときお風呂に入っていいの?症状別の入り方は?注意点と入浴を避けた方がよい状態を解説
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者
投稿者プロフィール
最新の投稿
- お知らせ2024.12.07年末年始の診療時間について
- お知らせ2024.12.04医師募集について
- お知らせ2024.11.3012/7(土)外来診療時間変更のお知らせ
- ブログ2024.11.27倦怠感・だるさが続くのは新型コロナ?後遺症や治療方法などを解説