【医師監修】副鼻腔炎おすすめ市販薬ランキング|選ぶポイントや病院受診目安について解説

副鼻腔炎とは『蓄膿症』のことを指します。

鼻腔ではなく、副鼻腔炎は鼻の奥にある副鼻腔において炎症を起こすことで、以下などの症状を引き起こします。

  • 鼻詰まり
  • 黄色っぽい鼻水
  • 顔面の痛み
  • 頭痛

市販薬を上手に活用することで、早期より症状の軽減を期待することが可能です。

そのためには適切な薬の選択が重要です。

本記事では、耳鼻科医の視点から、副鼻腔炎にお勧めの市販薬やその選び方、またどんな症状になったら病院に受診した方がよいかについて詳しく解説していきますね。

副鼻腔炎の市販薬を選ぶポイント

副鼻腔炎が起きると様々な症状が起きます。

そのため、症状に合わせて市販薬を適切に選ぶ必要がありますので、具体的に説明していきます。

鼻水・鼻詰まり症状を抑えたい場合

鼻水・鼻詰まりがあるということは、鼻腔内にも副鼻腔炎により汚い鼻水が出ているということになります。

アレルギーによって生じているか、風邪などのウィルスや細菌によって起きているかで対処法が変わってきます。

アレルギー性の場合

抗アレルギー薬が効果的です。

抗ヒスタミン薬と製品に書かれている、『アレグラ』や『クラリチン』と呼ばれるものになります。

アレルギーにも種類があり、花粉症といった季節性のアレルギー症状もあれば、ダニやハウスダストなどによって生じる通年性のアレルギー症状もあります。

風邪などのウィルスや細菌性の場合

漢方薬が有効なことが多いです。

漢方の作用により自身の免疫力を向上させることで、菌の排出を促す効果があります。

また点鼻薬にも同様に菌を排出する効果を得られることがあります。

体質を改善したい場合

副鼻腔炎は顔の骨格形成が人によってそれぞれ違うために起きてしまいます。

鼻通りが良い人もいれば、風邪を引いたときだけ副鼻腔炎症状が起きやすい人もいます。

顔の骨格を変えることは手術をしないとできないため、まず行えることは漢方を内服することです。

風邪症状が起きた際にすぐに漢方を使用することで、副鼻腔炎症状が長引かなくなります。

鼻の不快な症状を解消したい場合

すでに鼻水が出てしまっている場合は、鼻をかむことで多少は症状は改善されます。

しかし、鼻の奥にある鼻水は鼻をかんでも不快な症状を及ぼします。

その際は『鼻うがい』を行うことで、鼻腔内を洗浄することができ、鼻の不快感を軽減することが可能です。

鼻詰まりによる頭痛を解消したい場合

副鼻腔炎により、鼻が詰まってしまう事で、鼻の奥で炎症をきたしてしまいます。

その際には頭痛が生じるため、頭痛を改善するには炎症を抑えることが必要です。

しかし、炎症は薬ではすぐに抑えられないため、頭痛をすぐに抑える薬を使用する必要があります。

鎮痛薬として非常に効果的なのは『ロキソプロフェン』です。

この薬は鎮痛作用だけでなく、抗炎症作用も含まれています。

関連記事:抗アレルギー薬とは?強さのランキングを一覧で掲載

副鼻腔炎におすすめの市販薬ランキング【抗アレルギー薬編】

1位:アレグラ

第2世代の抗ヒスタミン薬である、フェキソフェナジン塩酸塩が配合された薬です。

即効性があり、眠気が少なく車の運転前にも服用できます。

また子供でも使用できる点が他の薬と比べ使いやすいポイントです。

2位:クラリチン

第2世代の抗ヒスタミン薬である、ロラタジンが配合された薬です。

1位のアレグラと比べ、1日1回の服用で効果が得られます。

アレグラが効かないといった方にはお勧めです。

3位:アレルギール

第1世代の抗ヒスタミン薬である、クロルフェニラミンマレイン酸塩が配合された薬です。

アレグラ・クラリチンと比べ、第1世代の薬になるため眠気の副作用がきつく出る場合があります。

4歳から服用できるといった利点があります。

副鼻腔炎におすすめの市販薬ランキング【漢方薬編】

1位:チクナイン

9種類の生薬を組み合わせた『辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)』と呼ばれる漢方です。

副鼻腔炎の原因菌の増殖を抑えたり、抗炎症作用として症状を抑えてくれます。

5歳から使用できるため、お子様にも安心して使用できます。

2位:ワグラスD錠

10種類の生薬が組み合わさった漢方です、

排膿を促して抗炎症作用をもたらす(キキョウ・キジツ・シャクヤク)に加え、化膿症状を回復させる(カンゾウ・タイソウ)が含まれており、蓄膿症に効果があります。

3位:排膿散乃湯エキス

6種類の生薬を組み合わせた漢方です。

排膿散と排膿湯と呼ばれる漢方が組み合わさっており、炎症を鎮めて膿を排出してくれる作用があります。

生後3か月から使用可能です。

関連記事:鼻詰まりの原因は?日常でできる解消方法や長引く場合の対処法を紹介

そもそも副鼻腔炎ってどんな病気?

副鼻腔炎と一言でいっても、大きく急性期の症状をきたす『急性副鼻腔炎』と慢性期の症状をきたす『慢性副鼻腔炎』にわけられます。

急性副鼻腔炎の主な原因は細菌感染とウィルス感染です。

これらのばい菌の侵入経路は様々で鼻から直接空気を通って感染することもあれば、虫歯などにより歯からばい菌が侵入することもあります。

急性副鼻腔炎の症状としては以下などがあります。

  • 発熱
  • 鼻詰まり
  • 汚い鼻水
  • 頭痛
  • 顔面痛

皮膚まで感染が広がると、顔が真っ赤に腫れあがりますし、脳にまで感染が広がると脳炎・髄膜炎といった症状を引き起こします。

急性副鼻腔炎は悪化しているのを放置していると命に関わることもあるため注意が必要です。

後に挙げる慢性副鼻腔炎との大きな違いは、発熱や顔の片側に症状がでてくる可能性がある点です。

慢性副鼻腔炎は急性副鼻腔炎とは違い、3か月以上副鼻腔炎症状が続く状態の事を指します。

いわゆる『蓄膿症』とはこの慢性副鼻腔炎の状態を言います。

原因は、鼻の元々の構造異常からできることもあれば、アレルギーによって生じることもあり様々です。

また意外と思われがちなのが、真菌と呼ばれる『カビ』が副鼻腔に長年定着してカビの塊をつくってしまい、蓄膿症の症状を来たすことがあります。

症状としては鼻の奥から口に鼻水が垂れてしまう後鼻漏症状であったり、頭重感を伴う頭痛が主な症状です。

また嗅覚障害をきたす方も非常に多いです。

副鼻腔炎の市販薬が効かない場合は病院受診が必要?

実際に病院で風邪と診断される症状の多くは急性副鼻腔炎を伴っているケースが多いです。

そのすべての方に抗生剤を投与しなくても、大体の方は自然に治癒します。

しかし、稀に感染が皮膚に広がったり、脳まで波及することで、重症化してしまう可能性があるため注意が必要です。

副鼻腔炎の市販薬を使用しても嘔吐や激しい頭痛、また発熱が続いてしまう場合は病院に受診しましょう。

関連記事:鼻うがいのやり方は?効果やデメリットまで徹底解説!

まとめ

今回は副鼻腔炎の原因なども含めて、僕がおススメする副鼻腔炎に対する市販薬について説明させて頂きました。

まずは市販薬で症状がおさまるか試してみてください。

もちろん当院の外来での診察も行っていますし、お子様の症状であれば『キッズドクター』のアプリよりオンライン診療も行えますので、必要があればご利用ください。

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 理事長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
・2025年 医療法人 幸龍家 理事長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者