食中毒かもしれない症状を解説!うつる可能性や対処方法は?
こんにちは!横浜内科・在宅クリニック院長の朝岡です!
夏休みが始まると、友だちとプールに行ったり、バーベキューをしたり、楽しいことがたくさんありますね。
でも、そんなときに忘れちゃいけないのが、【食中毒】です。
食中毒とは、細菌やウイルスが入った食べ物を食べると、お腹が痛くなったり、下痢・嘔吐を引き起こしたりする病気です。
重症になると、便に血が混じったり、脱水症状などでめまいがするなど危険な状態になる場合もあります。
ただし食中毒はしっかりと注意すれば予防することができます。
今回は食中毒の症状や、なりやすい人の特徴、うつす可能性があるのかなどを詳しく解説していきます。
この記事を読んでいただき、食中毒の怖さを知り、予防に少しでもお役に立てられればと思います。
それでは見ていきましょう。
食中毒の症状
まず初めに、食虫毒とはどんな症状なのでしょうか?
以下が一般的な症状として見られます。
✅吐き気
✅嘔吐
✅腹痛
✅下痢
他にも、以下などといった症状が発症する方も多くいます。
✅発熱
✅頭痛
✅疲労感
上記のほかに、頻度は高くないものの、重い症状の1つとして『血便』があります。
『血便』は危険な症状の1つですので覚えておいてください!
また、下痢や嘔吐が長時間続くことで、水分や電解質が体外へ排出され脱水症状を引き起こす場合があります。
脱水症状が重症化すると死亡する恐れもあります。
※脱水症状の目安としては、ここでは簡単にご説明しますが、”尿が少なくなる” ”めまい” ”口が乾く”などが見受けられます。
▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
食中毒になるまでの時間・潜伏期間
ここまでは食中毒の症状について紹介しました。
ただし、原因となる食事などをしてからすぐに食中毒になるかというとそうではない場合も多く、食べてから感染するまでに一定の時間がかかることもしばしばあります。
これを潜伏期間といいます。
原因となる食中毒菌やウイルスによって異なります。
一般的な食中毒の潜伏期間は感染してから症状が現れるまでの時間で、食後数時間から数日です。
代表的な食中毒の病原菌やウイルスの潜伏期間は下記のとおりになります。
腸炎ビブリオ
主な原因食品:魚介類
潜伏期間:8~24時間
サルモネラ属菌
主な原因食品:鶏卵、食肉
潜伏期間:6~72時間
カンピロバクター属菌
主な原因食品:食肉
潜伏期間:1~7日間
ノロウイルス
主な原因食品:二枚貝、ノロウイルスに汚染された食品など
潜伏期間:1~3日間
腸管出血性大腸菌O157
主な原因食品:食肉
潜伏期間:3~8日
特に、すぐに食中毒にかかるというわけではく潜伏期間があるということはしっかり覚えておいていただけるとよいかと思います。
食中毒になりやすい人の特徴
食中毒になりやすい人は、下記のような特徴があります。
•免疫力が低下している人(高齢者、乳幼児、妊婦など)
•慢性的な疾患を抱えている人(免疫不全疾患、消化器官の病気など)
•生食や加熱不十分な食品、鮮度の悪い食品を摂取する人
•腸内に善玉菌が少ない人
慢性的な疾患をお持ちの方や、高齢者、乳幼児などは食中毒を完璧に予防する事は難しいかもしれません。
食品の鮮度や加熱等は充分に対策が出来る事かと思われます。
食中毒になる確率を最低限に減少させましょう!
★ちなみに豆知識★
野生のコンドルは、数百万年に及ぶ進化で磨き抜かれた消化管があるお陰で、食中毒にはならないそうです。
私達もコンドルのような消化管になれたら、食中毒を気にする事は無かったのに…笑
食中毒のうつる可能性について
食中毒はこれまでに説明した通り、食べ物などから感染し、様々な症状を引き起こし、時には重症化もしてしまう危険な病気の1つです。
では、そんな食中毒ですが人から人へ感染することはあるでしょうか?
答えは「YES」です。
食中毒は場合によっては人から人へ感染することがあります。
特に腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌、ノロウイルスなどは感染力が強く、人から人へ感染する事があり注意が必要です。
したがって、周りの人への感染させないためにも、食中毒は未然に防ぐことが重要になります。
感染の源である食品や環境への感染拡大を防ぐため、食事前などの手洗いや食品の適切な調理といった予防策をとる必要があります。
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食中毒になったときの対処法
ここまでは食中毒の恐ろしさや、なりやすい人の特徴などを紹介してきました。
では、もし食中毒になってしまった場合、どうすればよいでしょうか?
もし食中毒になってしまったら、すぐに病院に行き、医師の診察を受けましょう。
もしすぐに病院に行けない場合、次のような対処法を取りましょう。
確実な水分補給
食中毒が悪化して最も重症化しやすい症状として「脱水症状」があります。
これまでにも紹介した通り、下痢や嘔吐により脱水症状になる可能性が高まるためです。
ゆっくり少しずつでよいので、電解質を含む経口補水液やスポーツドリンクを飲む事が望ましいでしょう。
休息をしっかり取る事
食中毒はしっかり水分を取り安静にしていれば、自然に治る事も多い病気です。
潜伏期間や必要になる治療期間は、原因となる菌やウイルスによって異なりますが、食中毒になった時は、無理をせず安静にしておきましょう!
消化しやすい食べ物を食べる事
症状が落ち着いて来たらでよいので、無理のない範囲で少しずつ食事をとるようにしましょう。
食事を全くとならいと身体が元気になるための栄養がなくなってしまい、回復が遅くなってしまう可能性があるためです。
食事をとる際には、まだまだ食中毒で胃腸などが弱っているため、消化しやすい食べ物を少量ずつとるようにしてください。
おかゆやうどん、すり野菜のスープなどが良いでしょう。
整腸剤などの薬を飲む
症状を緩和するためには市販でも買えるビオフェルミンなどの整腸剤や正露丸(せいろがん)、吐き気止めの薬(ナウゼリンやプリンペランなど)を飲むことが重要になります。
病院に行けば医師から適切な処方薬をもらうこともできます。
ただし、「下痢止め」を使うのはお勧め出来ません。
理由は、下痢止めを使用する事で、お腹の中の腸が運動しずらくなってしまい、原因となる菌やウイルスを外に出す活動が遅れてしまいます。
そのため、食中毒が治るまでにさらに多くの時間を要してしまい、なかなか治らなくなってしまうのです。
もしどんな薬を飲めばいいのかわからないなど、お困りの際は是非、横浜内科・在宅クリニックへご相談くださいね。
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食中毒にならないための予防対策
これまでにも紹介した通り、重症する可能性もある食中毒は予防が最も大事です。
食中毒を防ぐためには、「つけない」「増やさない」「やっつける」の食中毒予防3原則を徹底することが特に重要です。
この3つについて詳しく解説します。
「つけない」
食中毒の原因菌を食べ物に「つけない」ことが重要なポイントの1つです。
原因菌を食べ物につけないようにするためにも、調理前などは必ず手を洗うことを徹底して、原因を取り除きましょう。
「増やさない」
食べ物に付着した菌を「増やさない」こともまた、重要なポイントの1つです。
原因菌を増やさないようにするためには、肉や魚などの食中毒の原因になる食べ物について、購入後、出来るだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
また、消費期限や賞味期限は必ず守るように心がけましょう。
「やっつける」
細菌やウイルスを「やっつける」ことで食中毒の予防をすることができます。
実はほとんどの細菌やウイルスは熱に弱いのです。
そのため、肉や魚などの生鮮食品はしっかりと中心まで加熱することで、食中毒の予防につながります。
夏場などの食べ物が腐りやすい時期は特に、生焼けの生鮮食品は食べないようにしましょう。
このように、少しの予防をすることで食中毒を防ぐことができます。
是非お試しください。
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食中毒で病院にいく目安
食中毒は安静にしていれば自然に治るケースもある疾患です。
これまでに説明した通り、重症化することもあり、場合によっては命の危険にもつながりかねません。
そのため、特に重症化のリスクの高い、免疫力の弱い小さなお子様や高齢者、慢性的な疾患をお持ちの方はすぐに病院に行くことをおすすめします。
また、参考までに病院に行く目安としては以下のものがあります。
・激しい嘔吐/下痢(1日10回以上など)
・水分が取れない事による脱水症状
・血便(大便に血が混じっている症状)
・呼吸困難、めまい、意識障害
これらの症状が見受けられましたら、命の危険につながりかねないため、すぐに医療機関を受診して下さい。
ただの食中毒だと甘く見ていますと、取り返しのつかない大変な事になってしまうかもしれません。
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横浜内科・在宅クリニックでの対応方法
私たち横浜内科・在宅クリニックでは、食中毒に対してはまず丁寧な診察のもと、診断を行います。
特に他の感染症や病気の可能性がないかしっかりと見極めたうえでの診察を行わせていただいています。
治療に関しては胃腸の働きを整える整腸剤や、吐き気を減らすことで脱水症状などを止めるために吐き気止めなどの内服薬で調節を行います。
発症後の対応方法や適切な処置を具体的にご説明いたしますので、お困りの際はぜひいつでもお気軽にご連絡ください。
横浜内科・在宅クリニック院長 朝岡が実際に経験した例!
食中毒はなってしまったときは症状がかなり辛く、二度となりたくないっと思うのですが、ある程度は治ってしまうので軽視されがちです。
なかでもO-157(腸管出血性大腸菌)は日常の診療でも出会うことがあり、非常に危険な食中毒だと思っています。
生レバーを焼肉屋で出すことが出来なくなってから、診療中に出会う頻度は減ったものの、感染直後は下痢程度の症状が翌日になったら急変し、命を脅かす病気に変貌します。
僕も外来に普通に来院された方が、O-157と診断されて、翌日には集中治療室にて治療を受けた方を経験したことがあります。
まとめ
ここまで食中毒の危険性や予防法など、多岐にわたってご紹介させていただきました。
食中毒はすでにもしかしたら多くの方がご経験された事があるかもしれない疾患かもしれません。
ですが、ここまでの説明の通り、重症化するリスクも大いにある病気の1つです。
そのため、適切な対処法と予防策の徹底が大変重要です。
症状でお困りの方やお悩みの方、いつでも横浜内科・在宅クリニックをご利用ください。
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者