水虫に効果的な市販薬ランキング|選び方や使用上の注意点についても解説

水虫とは、カビの一種である白癬菌という真菌が皮膚に感染して起こります。

白癬菌は手や体、頭にも感染しますが、9割は足に感染します。

足に繁殖しやすいのは、菌にとって過ごしやすい高温多湿な環境を作るからです。

また皮膚表面に汗や汚れが残っているアルカリ性の皮膚環境も、白癬菌が繁殖しやすい状態です。

毎日からだを清潔にし、弱酸性の状態を保っていれば、感染は予防できます。

しかし、一度発症してしまうと、水虫は自然に治ることはありません。

適切な治療が必要な病気なので、この記事を通して、水虫とはなにか。またどのようにケアしたらよいのかを説明していきます。

市販薬でも水虫に効果はある?

軽症な水虫感染であれば市販薬でも治すことができます。

市販薬を選ぶ際には、抗真菌薬であるテルビナフィンやナタマイシンなどの成分が入っているものを選ぶと良いでしょう。

使い方のポイントとして以下に注意しましょう。

  • 患部より広めに塗ること
  • 毎日1~2回は塗ること
  • 症状が改善しても、2週間は塗り続けること

症状が広範囲であったり、爪にまで感染していたり、長期間治らなかったり、皮膚がボロボロの状態の場合は皮膚科に受診して、適切な治療を受けた方がよいです。

また、水虫と似た症状を起こす皮膚の病気がありますので、初めて症状が出た場合や市販薬を使用しても症状が改善されない場合も皮膚科を受診しましょう。

関連記事:水虫の症状とは?原因や治し方を解説

水虫の種類には何がある?

水虫(足白癬)は主に4つにタイプに分類されます。

足だけでなく、手の白癬も存在し、こちらは足白癬と同様のタイプがあります。

趾間型(しかんがた)

足指の間(主に親指と人差し指の間)にできる最も一般的なタイプです。

指の間が赤く腫れて痒いのが特徴です。

皮膚が剥がれたり、痒みや水ぶくれがみられたりすることがあります。

小水疱型(しょうすいほうがた)

足の裏や土踏まずに小さな水ぶくれが多発し、破れて剥がれ落ちるのが特徴です。

水ぶくれが痒く、破れるとじゅくじゅくすることがあります。夏場に悪化しやすい特徴があります。

角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

かかとの角質が厚くなり、皮膚が硬くなったり、ひび割れるのが特徴です。

痒みは少ないですが、かかとや足の裏の皮膚が粉をふいたようになることがあります。

乾燥や加齢による皮膚の荒れと考え特に治療されず、放置されていることが多いです。

爪白癬(つめはくせん)

爪に感染するタイプの白癬です。

爪が白く濁ったり、厚くなったり、ボロボロになることがあります。

外用薬だけでは不十分な場合が多く、内服薬が使われることもあります。

水虫におすすめの市販薬ランキング

1位:ピロエースZクリーム

有効成分:ラノコナゾール

特徴:ラノコナゾールを主成分とし、1日1回の塗布で効果があるため、管理が楽です。

2位:ラミシールATクリーム 

有効成分:テルビナフィン塩酸塩

特徴:抗真菌薬が含まれており、白癬菌を効果的に抑制できます。

クリームタイプなので、べたつきが気になる方におススメです。

3位:ダマリングランデX

有効成分:テルビナフィン塩酸塩

特徴:塗り心地が良好で、かゆみを抑える成分も含まれており、使用した直後の効果がわかりやすいです。

4位:メンソレータムエクシブWディープ10クリーム

有効成分:テルビナフィン塩酸塩+かゆみ止め成分

特徴:かゆみが強い場合でも効果的。

クリームタイプで塗りやすく、べたつきが少ないため快適に使用できます。

5位:ブテナロックVaクリーム

有効成分:ブテナフィン塩酸塩

特徴:ブテナフィン塩酸塩をはじめとした殺菌成分のほか、3種類のかゆみ止め成分など7成分を配合しています。

メントールのスーッとしたつけ心地と、伸びのよいさらりとした使用感があります。

関連記事:疥癬(かいせん)がうつる確率は?放置するとどうなる?自然治癒する?

水虫に効く市販薬の選び方

成分から選ぶ

主成分である抗真菌成分が配合されているかを確認しましょう。

「~フィン」や「~ゾール」という名前の抗真菌成分が入っているもので、より効果的な成分としては、「ラナコナゾール」「テルビナフィン」「ブテナフィン」「アモロルフィン」が一般的です。

症状に合わせた剤形を選ぶ

    症状に合わせて市販薬を選ぶ際は、以下を参考にしてください。

    • かゆみがある:かゆみ止め成分(リドカイン、ジフェンヒドラミンなど)や清涼成分が配合されたもの。
    • ひび割れがある:軟膏やクリームタイプ
    • じくじくしている:軟膏やパウダースプレー
    • 乾燥している:液体やスプレータイプ
    • 水ぶくれがある:クリームや軟膏

    補助成分

    足のにおいが気になる場合は、ベンザルコニウム塩化物などの殺菌成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。

    乾燥が気になる場合は、尿素などの保湿成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。

    炎症が気になる場合は、ステロイド成分などの抗炎症成分が配合されたものを選ぶこともできますが、医療機関を受診して相談することをおすすめします。

    水虫市販薬を使うときの注意点

    用法・用量を守る

    正しい用法・用量を守り、目に入らないように注意しましょう。

    使用前に患部とその周囲を清潔にして、水分をしっかり拭き取ってから薬を塗布しましょう。

    水虫治療ではステロイド外用薬を使用しないことが大切です。

    ステロイド外用薬は水虫症状を悪化させてしまうことがあります。

    ステロイド薬を処方された場合でも、使用時に症状が悪化してしまった場合はすぐに中止して、再度受診をしてください。

    症状が悪化したことから、水虫の診断に至るケースも多々あります。

    また、当たり前ではありますが、使用期限が過ぎた薬は、品質が劣化している可能性があるため使用しないようにしましょう。

    副作用

    赤み・痒み・発疹など薬に対するアレルギー反応やかぶれが出ることがあります。

    その場合は使用を中止して、皮膚科を受診してください。

    自己判断でかぶれの薬などを併用すると水虫の症状が悪化することもあるので注意が必要です。

    使用できない人はいる?

    抗真菌薬が含まれている外用薬がほとんどなので、口に入れなければ特に問題が起きることはありません。

    女性の場合は、妊娠・授乳などのライフステージで薬の利用可否に注意が必要です。

    塗り薬とはいえども、妊娠している可能性がある方は、使用の前に医師や薬剤師又は登録販売者に相談してください。

    関連記事:爪の病気にはどんな種類が?診療科目や受診のタイミングを解説

    水虫を早く治すためにできるセルフケア

    患部を清潔に保つ

    水虫は高温多湿な場所を好みます。

    入浴時には、患部を石鹼で丁寧に洗い(ゴシゴシこすらない)、指の間もしっかりと洗います。

    入浴後はしっかりと水分をふき取り、足の指の間は特に丁寧に乾かすことが大切です。

    必要に応じてドライヤーの冷風を使うのも効果的です。

    汗をかいた後は、タオルでふき取って、しっかり乾燥させましょう。

    通気性の良い履物にする

    湿気は白癬菌の大好物です。

    1日同じ靴を履き続けない、毎日靴下を替えることが大切です。

    通勤時と出勤後で靴を履き替えるなど、できるだけ蒸れた状態を避けることも大切です。

    また、通気性の良いものを選ぶことも良いでしょう。

    感染しない、させないようにする。

    水虫になった場合は、家族とスリッパ・バスマット・タオルを共有しないようにしましょう。

    使用した後はすぐに洗濯し、可能であれば日光で乾かすことも大切です。

    ご家族で水虫を所持している人がいる場合は、感染リスクが非常に高いので注意が必要です。

    すぐに薬をやめない

    市販薬・処方薬どちらも、1日1回を毎日継続して使うことが鉄則です。

    症状が治まった後も、しばらくの間は治療を続ける必要があります。

    最低2週間、できれば1か月以上塗り続けることで再発のリスクが減少します。

    横浜内科・在宅クリニックでできること

    当院では水虫に対しては、検査を行い確定診断を行います。

    丁寧な問診・診察を行いまずは外用薬での治療を行います。

    効果がない場合は内服薬での加療を行う事もあります。

    まとめ

    実際に水虫は市販薬でも治療は可能です。ご自身にあった外用薬を選ぶことが重要です。

    最も大切なことは、足全体に薬を塗ること、薬の使用を続けることが重要です。

    この記事を読んで、少しでも水虫治療に役立ったら嬉しいです。

    参考文献

    日本皮膚科学会皮膚真菌症 診療ガイドライン 2019

    皮膚真菌症 診断・治療ガイドライン

    この記事の監修医師

    朝岡 龍博

    横浜内科・在宅クリニック 理事長:朝岡 龍博 医師 

    ▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

    『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
    『最後まで患者様と病気と向き合います』

    【経歴】

    ・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
    ・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
    ・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
    ・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
    ・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
    ・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
    ・2025年 医療法人 幸龍家 理事長

    【資格】

    ・舌下免疫療法講習会修了
    ・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
    ・緩和ケア研修会修了
    ・難病指定医
    ・麻薬施用者