COPD(慢性閉塞性肺疾患)はタバコが原因?症状や治療を解説

COPD

こんにちは!

横浜内科・在宅クリニック院長の朝岡です!

皆様の中で、おタバコを毎日、何年もお吸いの方はいらっしゃいますか?

当てはまった方は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という症状に注意が必要です!

実は、日本では、COPDの原因の90%以上が喫煙によるものと言われており、別名「たばこ病」と呼ばれております。

とはいえ、COPDという症状が健康にどのような影響があるのか、なかなか分かりづらいですよね…

今回は、

「COPDとは、どういった症状なのか?」
「COPDって治るの?治療法は?」
「タバコを辞めないと完治はしないの?」

といった、皆様が気になる内容について深堀していきたいと思います!

では見ていきましょう✨

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因とは

COPD

COPDとは、気道や肺胞が徐々に破壊され、その機能が低下し、咳や息切れが強くなる疾患です。

Chronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとっており、慢性的な閉塞性の肺の病気のことです!

冒頭で説明したように、COPDの最大の原因は”喫煙”となります。

なぜ喫煙をする事でCOPDが発症するのでしょうか?

それは、タバコの煙は粒子が非常に小さく、肺の奥まで入り込みやすいので、吸い込む事によって気道や肺が傷つき、炎症を起こしたり、肺胞が破壊されたりするからです。

長期間の喫煙はCOPDだけでなく、がんや脳卒中、その他の呼吸器疾患など多くの病気と関係しております。

中毒性の高いタバコ…なかなかやめられないかと思いますが、上記のような症状が発症する可能性を考えると、吸わない事が賢明ですね…

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)はタバコ以外でもなる可能性はある?

COPD

タバコを吸わない人もCOPDになる可能性は大いにあります。

例えば、大気汚染や有機燃料を燃焼させた煙の吸入、職業性の粉塵や化学物質を吸入する人もCOPDになる可能性があります。

それ以外には、なんといってもタバコの副流煙による「受動喫煙」です。(ここでもタバコが原因に…笑)

耳にした事があるかもしれませんが、実はタバコを吸う本人より、副流煙を受動喫煙する周囲の人の方が有害性の高い煙を吸っているのです。

そうなってくると、「タバコの喫煙マナー」という考え方だけでは解決できない健康問題となってしまいますね…

COPD(慢性閉塞性肺疾患)と喘息の違いは?

COPD

COPDと喘息…どちらも気管支の炎症などによる気道の疾患ですが、原因や症状が異なります。

違いを見てみましょう✨

〈原因〉
COPD喘息
✅長期間の喫煙
✅大気汚染や有機燃料の燃焼物の煙の吸入
✅粉塵や化学物質の吸入
✅風邪やインフルエンザなどの感染症
✅アレルギー原因物質の摂取
✅薬物の内服による喘息

喫煙による喘息症状が起こりうる可能性もありますが、主な原因としては上記のとおりです。

症状の違いとしては、発作が治まれば呼吸機能も正常に戻るのに対して、COPDではいったんダメージを受けた肺組織は回復せず、呼吸機能が完全に元に戻ることはありません。

この点もCOPDと喘息の大きな違いになります!

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状

COPD

COPDは通常、数年かけて進行し、初期症状としては、階段を上がった時や家事をした時の息切れなどが見受けられます。

それから、慢性の咳や痰が特徴的な症状として発症します。

これらはCOPDの時にだけみられる症状ではない為、風邪や齢のせいにされがちですが、症状が長期にわたって継続していたり、原因に当てはまる生活習慣を送っている場合は十分にCOPDの可能性があります。

また、症状が悪化すると、体重の減少や気胸、心不全、呼吸不全、肺炎に発展する場合もありますので、甘く見ていると辛い思いをする事になるかもしれません。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査と診断基準

主な検査方法としては、スパイロメーターという医療器械を使用した呼吸機能検査を行います。

このスパイロメーターでは肺活量なども一緒に調べることができます。

COPDの患者様は、気道が狭くなり息が吐き出しにくい症状が特徴としてある為、この検査で肺活量と息を吐くときの空気の通りやすさを調べることで診断されます。

また、診察での診断基準としては、前述した症状に当てはまるような慢性の咳や痰、作業時の息切れ等がある場合にCOPDが疑われます。

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は治るの?治療について

COPD

残念ながら、COPDは完全に治る疾患ではありません。

しかし、治療によって症状を軽減し長期的な進行を遅らせる事は可能です。

治療の基本は何といっても「禁煙」であり、病状の進行を遅らせたり合併症を予防するために、最も重要です。

COPDの原因であるタバコや粉塵、大気汚染などをなるべく防ぐ事が治療に直結します。

その他にも、気管支を広げる吸入薬などの内科的治療によって悪化を防いだり症状を改善させる事が可能です。

壊れてしまった肺を元通りにする事は難しいですが、少しでも早い段階で病気に気づき適切な治療を開始する事で、将来のリスクを改善する事が出来ます!

しかし、呼吸苦といった症状を和らげることはできます!!

通常の人よりも酸素供給量を増やすことができれば、息が楽になります。

入院すると、酸素ボンベより酸素が供給される機械がありますが、ご自宅でも同様の酸素を供給する機械を使うことができるのです。

それをHOT(Home Oxygen Therapy):在宅酸素療法といいます。

このHOTの導入により、たくさんのCOPDの方が自宅でも過ごすことが可能になりました。

横浜内科・在宅クリニックでの対応方法

当院では、COPDの症状に対して、丁寧な診察及び今後の適切な改善方法をお伝えします。

「喘息なのか、COPDなのか分からない」といったお悩みの患者様も、ぜひご来院ください✨

咳や痰症状に対しては、適切な内服薬/外用薬にて調整を行わせていただきます。

最大の原因である「タバコ」がやめられない事でお悩みの方も、ご相談させていただきたいと思いますので、ぜひ当院をお尋ねくださいね♪

まとめ

喫煙が最大の原因とされるCOPDは、悪化させない為にも早めの対策、改善が重要になります。

ニコチン依存症で、タバコがやめられない方も多くいるかと思いますが、将来の悪化を防ぐためにも少しずつ生活習慣の改善に取り組みましょう。

自分の身体は自分で守る事を意識して、健康的な生活を送れるようにしていきましょうね♪

参考文献

一般社団法人 日本呼吸器学会
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
環境再生保全機構

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者