発熱の基準は何度から?外来に行くべき目安やよくある症状を解説
体の関節の節々が痛い!
なんか身体がだるいんだけど!
って時に体温計で温度を測ると『39.5℃』っと表示がされ、がっくりした経験ありませんか?
発熱は全身に起きている炎症反応の1つです。
発熱を起こす原因にはたくさんの要因があります。
その中には、風邪、インフルエンザ、コロナといった感染症や、自己免疫疾患、癌などが含まれます。
身近にある発熱といった症状の原因を理解し、適切な対処法を知ることは、非常に大切です。
これから発熱の基準やメカニズム、一般的な症状、そして適切な対処法について詳しく説明していきますね。
発熱とは何度から?基準やメカニズムについて
発熱っていったい何℃から発熱なの?って疑問ありませんか?
40℃って聞くとかなり発熱しているなぁっという印象でしょうか?
発熱は『脇の下で37.5℃以上』と定義されています。
また体温は実は脳の視床下部と言われる場所にて調節されています。
体内の代謝反応によって食事などによって蓄えられたエネルギーが熱に代わります。
発汗、血管の拡張、呼吸などによって熱を放出したりして平熱を保つようにします。
日本人の平均体温は36.9℃±0.3℃と言われており、個人差があります。
また測定部位によって温度が変化するのも特徴です。
最近では耳で測ったり、おでこで測ったりするのもあれば、従来通りわきの下、口の中で測ったりももちろんあります。
実は手術室などでは直腸温といった肛門で体温を測ったりもします。
手足や皮膚に近いところでは温度が低く、体の中心部にいくほど高くなります。
また顔や手足は環境温度に左右されることも多く、あまり当てになりません。
(びっくりするほど手が冷たい人や手が暖かい人いますよね。)
よく『私、平熱が低いので…』っとおっしゃる方々のほとんどが、測定の仕方を間違ってしまっていることが多いです。
また体温は一日の中で実は日内変動を認めるのが普通で、早朝に低く、夕方に高くなることがわかっています。
1日の中で1℃程度の変動が実はあるんです。
また女性は月経周期(生理周期)に応じても体温が変化します。
排卵前後でおよそ0.6℃も体温が上昇を認めており、生理が終わるまで体温上昇が続きます。
妊活を行う際に体温を継続的に測定すると、排卵期の予測と妊娠の可能性が分ることができます。
また高齢者の体温は、生理機能等が低下することで平熱がさがるため、0.2℃程度低いことがわかっています。
また体温調節機能も落ちるため、周囲の温度の影響を受けやすく、夏の日照りが強い場合は高齢者が熱中症になりやすい原因の一つです。
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発熱と共によくみられる症状
発熱をするということは、何かしらの要因があり、そのほとんどは体内での炎症反応によって生じることが多いです。
ばい菌感染、ウィルス感染、自己免疫疾患など色々な原因がありますが、体内で通常の健康状態に戻ろうと必死に体が戦った反応によって発熱を引き起こします。
胃や腸で戦っている場合は下痢、腹痛、嘔吐などの症状がでます。
また、鼻、のど、気管支、肺などで戦っている場合は鼻水、のどの痛み、咳、痰といった症状がでます。
ウィルス感染は主に全身の症状であり、頭痛、関節痛、筋肉痛を引き起こします。
薬や食物のアレルギー症状として蕁麻疹を伴う発熱を認めたりもします。
急激な発熱では、震えや悪寒が先行することが多いです。
発熱でお風呂に入らないほうがいい?
発熱中にお風呂に入るかどうかは、様々な意見があり一般的には個々の症状や体調によると僕は考えています。
発熱時にお風呂に入ると体温がさらに上昇する可能性があります。
体調が非常に悪い場合は朦朧としていまい、転倒などのリスクもあるため避けた方が良いかもしれません。
ただし、体調がそこまで悪くない場合や熱がそんなに高くない場合は、体を清潔に保つためにシャワーを浴びることは適切だと思います。
上がった後は、しっかりと身体を拭いてあげることも非常に重要です。
その際は、シャワーの温度が適度であることを確認し、お風呂から上がった後はしっかりと休むようにしてくださいね。
発熱と汗の関係性について
発熱と汗の関係性について考えたことありますか?
発汗するということは熱を下げる体の自然な反応なのです。
発熱は体温が上昇することですが、汗をかくことで体温が下がります。
運動をすると汗をかきますよね?
熱中症になるような真夏の時も汗がかなりでますよね?
これらも発汗することで体温の温度を下げるように調節している証拠なのです。
なので何かに感染した際に汗がでないことも含めて体温が下がらないことが異常事態であり、なにかしらの病気が隠れている証拠にもなります。
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発熱したときの対処法
発熱した時の基本的な対処法は、まずは十分な休息と良質な睡眠を取ることが非常に大切です。
もちろん発熱している原因を突き止め、抗生剤などが必要な場合があるので、病院に受診することも大切です。
体温調節機能が通常に働く場合は、必ず発汗などで体温をもとに戻すように働きます。
発汗をするのにもエネルギーがいりますし、体内の水分もでていきます。
なので、水分は十分量摂取しておかないと、脱水になる可能性があります。
食事もある程度カロリーがあるものを摂取しないとエネルギーが枯渇してしまい、発汗することができません。
また解熱剤も非常に有効です。
解熱剤は発熱を引き起こした原因を改善することはできません。
しかし、発熱を引き起こしている炎症物質を抑えることで、解熱することができます。
体中が何らかの要因で戦っているために起きる症状もありますが。
発熱といった症状によって、体調不良、倦怠感があるのも事実なので、解熱薬を使用することで症状が比較的に楽になることが非常に多いです。
特に小児の場合は発熱が原因で食欲が全くわかなくて、ご飯や水分が取れないことも多いので、37.5℃以上の発熱がある場合は積極的に使用するように僕はお伝えしています。
大人だって微熱があるだけで体調不良になるんですから、子供にだって使用してあげてください。
また通常解熱薬は鎮痛薬としても優秀です。
のどの痛みや頭痛、関節痛にも力を発揮しますので、痛みの症状がある方には非常に良い薬になります。
発熱外来に行くべき目安
新型コロナウイルス感染症が蔓延したことで、日本中に発熱外来といった名前の外来が病院初めにクリニックでも続々と出来てきました。
現在は新型コロナウイルス感染症が2類感染症から5類感染症に変わったことで『外来対応医療機関』と実は名前が変わったりしています。
実際に発熱外来に行く目安としては37.5℃以上の発熱があれば受診を推奨します。
新型コロナウイルス感染症だけでなく、他にも感染症の原因はたくさんあります。
他の原因によって発熱している可能性があり、原因特定をすることが非常に重要です。
横浜内科・在宅クリニックでの対応方法
当院では積極的に発熱外来を行っています。
これは地域住民の方が発熱などを起こした場合に通院できるクリニックが非常に少なく、当院で地域の皆様に必要とされる医療を提供したいと思っているからです。
当院では車でお越しいただいた方にはドライブスルー外来として、検査、診察ともに車の中で受けて頂けるようにしています。
また車以外で受診された方は病院前の椅子にて検査を行い、陰性であれば院内での診察を受けて頂くように感染対策をしっかりと行っています。
検査としては現在流行している新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ感染症の検査を行います。
またサチュレーションという機械を用いて体内の酸素量を計測し、肺炎の重症度として用いています。
これ以上感染拡大を起こさないように、また発熱の原因を診療にて特定するために、このような形態をとって日々診療しています。
横浜内科・在宅クリニック院長 朝岡が実際に経験した例!
実際に発熱外来を行い、何万人と患者を診察してきましたが、発熱に関する考え方は患者さん一人一人で違います。
発熱でツライのに解熱薬を全く使用しない人もいれば、自分の平熱はかなり低いから36.5℃もあれば発熱しているんです!って主張される方もいます。
大体発熱症状が出るときは他にも頭痛や咽頭痛、関節痛などの症状もでていることが多いです。
解熱薬には鎮痛成分も含まれており、大体の発熱時には解熱薬を使用することが望ましいと言えます。
高熱で動けなくて、死ぬほどつらかったけど、解熱薬が効いている間だけは救われたっと言われる患者さんが非常に多いです。
まとめ
今回は身近にある発熱といった症状からメカニズムについてお話しさせて頂きました。
その対処法について、できる限りわかりやすく書かせて頂きました。
またわからないことがあればいつでも当院にご相談ください。
参考文献
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者