トリコモナスになる原因と症状は?においの特徴や検査方法について解説

みなさん、トリコモナスを聞いたことはありますか。

カンジタと比べて馴染みのない方も多いかもしれませんが、トリコモナスとは性感染症の1つです。

性感染症(略称:STD)は、いわゆるセックスをはじめとする性行為などによって感染する病気のことを総称して指します。

性感染症は、治療が遅れるほど治りにくくなるため、早期発見、早期治療が大切です。

今回は、男女別にトリコモナスの症状やカンジダ症との違いについて解説します。

トリコモナスとは

トリコモナスは、肉眼で見分けることができない原虫(微生物)が性器内に侵入して、女性では膣炎や膀胱炎、男性では尿道炎を引き起こす性感染症です。

患部の痛みやかゆみの症状が出現すると指摘されています。

近年においてはその感染者は減少傾向にあって、中高年者層でしばしば認められるのが特徴のひとつです。

自覚症状に乏しいこともあり、感染していても症状が出ないという人が約20%から半数程度存在すると考えられています。

有意な症状に気がつかずに放置されるケースが多いですが、治療せずに経過してしまうと、病状は悪化するばかりで通常では自然に治癒することはありません。

感染状態が継続すると、不妊や流産の原因となるために適切な治療を実施する事が重要です。

関連記事:クラミジアは男性も女性もかかる?潜伏期間や感染経路、症状や治るまでの期間について

 膣トリコモナス症(女性)

トリコモナスは、世界的にはいまだに感染者数が多い感染症のひとつですが、わが国では減少傾向を認めています。

女性のおりものの性状が異常をきたしてトリコモナス原虫が検出されることも少なくなっています。

しかし、一般的に膣トリコモナス症の場合には、おりものの形状やそのにおいに特徴があり、診断がつきやすいと言われています。

一般的に、潜伏期間は女性の場合には5日~14日前後と言われています。

主な症状として、以下などを自覚します。

  • あわ状の悪臭の強いおりものが増加する
  • 外陰部や腟部に痛みや強いかゆみ、掻痒感

トリコモナスは、腟以外にも子宮の子宮頸管入口部、膀胱や尿道へも感染所見が波及します。

トリコモナス感染症(男性)

トリコモナス感染症は男性の場合には、尿道に感染して尿道炎の症状を引き起こしますが、一般的には無症状で経過することも比較的多いと言われています。

一般的に、潜伏期間は男性で10日前後であることが知られています。

主な症状として、以下を自覚します。

  • 尿道からの膿汁の分泌物
  • 排尿時の痛み

尿道感染のみのケースでは、排尿行為によって原虫が洗い流されることが考えられます。

しかし、トリコモナスに感染している男性の前立腺や精嚢部に寄生虫が存在していることが多く、尿道炎や前立腺炎に発展することが懸念されています。

心当たりがない!トリコモナス症の感染経路は?

トリコモナス症は、基本的に性行為(セックス)によって感染が成立します。

女性の場合は腟や子宮入口部、男性の場合では前立腺や精嚢に寄生しているトリコモナス原虫が、性行為を通じて精液や腟分泌液を介して感染。

主な感染経路は性行為ですが、時に心当たりがないのに以下などのケースで感染することが考えられます。

下着やタオルに接触したり、風呂やプールなどの場所から感染したりする可能性もあり、性行為の経験がない場合や幼児にも感染することがあります。

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トリコモナスとカンジダ症との違いについて

カンジダ症とは、カンジダ菌と呼ばれる真菌によって様々な炎症が引き起こされる疾患であり、カンジダ菌そのものは皮膚や消化管に広く常在していると考えられています。

過度の疲労、免疫抑制剤やステロイド剤の服用が長期になれば、自然と免疫力が低下して、腟内における常在菌のバランスが崩れ、腟内カンジダ菌が増殖します。

カンジダによる腟炎では、外陰部や腟部の掻痒感(かゆみ)や帯下(おりもの)の増加が認められています。

酒粕様やヨーグルト様と表現されるような帯下(おりもの)が特徴的です。

カンジダ症トリコモナス症
原因菌カンジダ菌トリコモナス原虫
感染経路常在菌のため、疲労や免疫抑制剤・ステロイド剤などの服用による免疫力低下で増殖主に性行為
下着・タオルの共用、温泉やプールといった公共の場での感染もある
症状外陰部・膣のかゆみ
おりものの増加
(酒粕やヨーグルトのようなおりもの)
泡沫状の黄色から白色の帯下(おりもの)の増加
外陰部・膣の強いかゆみ

トリコモナスは 放置せずに病院で検査を

性感染症は早期治療が鍵です。

上記であげたようなトリコモナスの症状を認めましたら速やか病院を受診するようにしましょう。

さて、病院で可能なトリコモナスの検査にはどのようなものがあるのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

トリコモナスの検査

トリコモナスの検査は男女によって異なります。

男性の場合

男性には、尿の採取を行います。

その結果は検査してから5日〜7日後に判明します。

男性のケースでは、検査の精度が安定しません。

パートナーの感染が認められた場合などは、問診した結果として疑わしいければ積極的に治療を優先して実施します。

女性の場合

女性では、膣分泌物を綿棒で拭って検体を採取して検査します。

感染が成立してから24時間以上経過すれば、検査精度が高くなります。

また、専門機器を備えた限られた医療機関では、即日に精密検査をして結果が当日または翌日に判明する遺伝子による核酸増幅法を用いた検査手段もあります。

トリコモナスは自然治癒する?

トリコモナスに一度感染すると、残念ながら自然治癒は期待できません。

一般的には、トリコモナス症に対する治療薬である「抗原中剤」を使用しないと、トリコモナス原虫は死滅しません。

トリコモナスに感染したままで放置していると、女性では卵管炎や骨盤内感染症に罹患する恐れがあります。

また、男性の場合には症状が悪化すると、前立腺炎や精巣上体炎を引き起こしてしまうかもしれません。

精子の通り道が詰まると不妊症の直接的な原因になることも想定されますので、病院やクリニックを受診して適切な治療を受けるようにしてください。

トリコモナスに市販薬は効果的?

トリコモナスに対する治療に際して重要なことは、パートナーと同時期に受診して確実に治療薬を服用することです。

治療方法は主に飲み薬のフラジール経口薬を1回1錠(250mg)1日2回、10日間続けて内服します。

フラジールは市販薬ではありません。

原虫のDNAを破壊して生命活動を阻害する有効成分を含有した薬剤です。

本邦では法律上、医師による処方箋が必要ですので、通常は病院を受診しなければ手に入れることができません。

抗原虫剤を服用している際は、アルコール摂取は悪心・嘔吐、腹痛などの症状が強まりますので基本的には禁物です。

関連記事:陰部や性器のかゆみがある時の性病について|検査や治療方法もご紹介

横浜内科・在宅クリニックでの対応

トリコモナス症は、婦人科や泌尿器科での検査が必要です。

当院では、検査を行うことができませんが、専門の医療機関への紹介を行っています。

陰部のかゆみやおりものの異常があった場合、どこの病院に行くのがいいかわからないといった場合にお気軽にご相談ください。

その他、ご不安な症状があれば一緒にご相談似た抱ければと思います。

まとめ

最近の性感染症は自覚症状がないものも多く、知らないうちにお互いに感染することもあります。

新しいパートナーができたら、まずお互いに感染症のチェックをしましょう。

正しい予防策でお互いの信頼関係をなお一層深めるように心がけてください。

今回の記事の情報が少しでも皆様の参考になれば幸いです。

 参考文献

1)STD研究所HP:トリコモナスの解説

DOI  https://www.std-lab.jp/stddatabase/trichomonas-vaginalis.php

2)GOETHE泌尿器科HP:トリコモナス症について|症状・感染経路・治療方法などを解説

DOI  https://goethe.clinic/std/venereal/trichomonas-2/

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 理事長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
・2025年 医療法人 幸龍家 理事長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者