突発性発疹とは?症状や不機嫌になる原因を解説

こんにちは!横浜内科・在宅クリニックの院長、朝岡です!
子供を授かったら必ず通る道、「突発性発疹」をご存知でしょうか?
不機嫌病という名前で知られるこの病気、苦労されたご家族の方も多いのではないでしょうか!
今回はそんな突発性発疹について症状や特徴についてお話していきます。
突発性発疹とは

突発性発疹は、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)またはヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)によって引き起こされる感染症です。
この病気は突然高熱が現れ、解熱後に全身に小さな赤い発疹が出る特徴があります。
ウイルスは6型と7型の2種類あるため、突発性発疹に2回かかります。
どちらに感染しても症状はほとんど同じですが、6型の感染では多くの子どもに発疹が出るのに対して、7型は一部の子どもにだけ発疹が現れます。
関連記事:熱性けいれんはどう対応すればいい?原因や後遺症を徹底解説
突発性発疹の症状

ヒトヘルペスウイルス6型は、生後6カ月から2歳までのほとんどすべての子どもが感染します。
6カ月までに発症しないのは、母親からもらった抗体が身体に残っているためです。
そして母親からもらった抗体がなくなってくる生後6カ月前後から下記の症状が現れます。
- 3~4日間の38℃以上の発熱
- その後顔面や全身に紅斑や丘疹(ぶつぶつ)などの発疹が現れる
発疹が出た後、再度発熱することはありません。
そして発疹が出現する前には、以下のような特徴があります。
- 高熱があっても比較的機嫌が良い
- 咳や鼻水などの感冒症状がほとんどない
- 便が少しゆるい
- 生後6カ月以降で初めての高熱
合併症として、発熱期間中に熱性けいれん(38℃以上の発熱に伴うけいれん)を起こすことがあります。
もちろん、症状は個人差があり、中には発疹も出なくて突発性発疹にかかったという自覚がなく終えてしまう方もいます。
突発性発疹は大人にもうつるのか

突発性発疹は大人にもうつる可能性はありますが、非常に稀です。
突発性発疹は一度感染すると一生体内に残り続け免疫ができるため、うつることはありません。
ただし、稀に、免疫力が低下している大人に、再感染やウイルスの再活性化が起こることがあります。
この場合、突発性発疹として現れるのではなく、ヘルペスウイルス感染症の形で出現することが多いです。
また、子どもにキスや食べ物の共有をすることで大人から子どもにウイルスをうつしてしまうことがあります。
関連記事:家族内での感染を防ぐために|ウイルスや病原菌から家族を守る
突発性発疹が不機嫌病と言われる?

解熱し発疹が出始めるタイミングで、親でも手に負えないほど不機嫌になる事があります。
別名「不機嫌病」と言われる通り、癇癪を起したり、泣き止まない、物を投げるなどの状態になってしまいます。
話すことができないので原因は不明ですが、いつもと体調が違う状態が続く事での不快感や不安を感じているからと言われています。
発疹が消えると同時に落ち着いてくるので、およそ3~4日は不機嫌な状態が続きます。
この期間はとても大変だと思いますが、不快感や不安を取り除いてあげましょう。
- こまめな水分補給
- 室温を整える(夏場は25~28℃、冬場は23~25℃)
- 抱っこをしてあげたり、要望に応えてあげる
もし、ご不安な事があれば当院へお気軽にお越しください!
突発性発疹の治療法について

突発性発疹の原因はヒトヘルペスウイルス6型とヒトヘルペスウイルス7型と分かっていますが、このウイルスには特効薬もワクチンもありません。
そのため、つらい症状を和らげることが治療の中心となります。
解熱鎮痛剤の使用
具体的には、熱がひどくて消耗する場合には、解熱薬(げねつやく)を使って熱を下げます。
ただし、消耗していない場合は、副作用の観点からも熱があるからといって必ず解熱薬を使用する必要はありません。
十分な休息
安静と十分な睡眠で免疫力が落ちないようにすることや、脱水を防ぐために電解質を含む水分(OS-1やポカリスエット、アクエリアスなど)補給が大事です。
点滴
脱水がひどく、口からの飲み込みが難しい場合に水分を補う点滴を行ったり、けいれんが止まらない場合にけいれんを止める薬を使ったりします。
これらは症状を楽にするとともに、全身の状態がさらに悪化するのを防ぐ意味合いもあります。
関連記事:乳幼児突然死症候群(SIDS)の前兆や原因とは?予防対策も解説
横浜内科・在宅クリニックでできる対応
当院では検査に加えて、症状に対して適切な薬の処方、使われている市販薬が適切かどうかのアドバイスなども行います。
突発性発疹症として特別に気をつける必要性はありません。
一般的には発熱時の注意事項と同じく、下記を参考にお子さんの全身状態を観察してください。
- 顔色は悪くないか
- 痙攣していないか
- 意識状態はしっかりしているか
- 水分摂取はできているか
- おしっこは出ているか
お困りの際はお気軽にご相談ください。
また、横浜内科・在宅クリニックでは、病院の診察時間外の夜間休日に患者様のご自宅にお伺いし、診察~検査~処方も行っています。
まとめ
突発性発疹はお子様の初めての発熱でご不安になる方も多いかと思います。
発熱だけであれば、頭や脇の下、足の付け根、首元などを冷やしてあげながら、通常の医療機関に受診してください。
しかし意識状態が悪い、痙攣(けいれん)しているなどの重篤な場合には、救急病院を受診することも必要です。
なので高熱が出ていても慌てず、全身の状態をしっかりと観察することが大切になります。
参考文献
横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師
『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』
【経歴】
・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
【資格】
・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者
投稿者プロフィール
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