手足口病の症状は?潜伏期間やうつる確率についても解説

「手足口病」と言う病気を耳にした事ありますか?

お子様がいる世帯では良く耳にすることのある病気でしょう。

子供がよくなってしまう病気ではありますが、大人にも感染する可能性はあるので注意が必要です。

本記事では、手足口病の症状や潜伏期間などについて解説していきます。

手足口病とは

手足口病

手足口病は、主に4歳までの幼児を中心に夏に流行する病気です。

2歳以下の幼児が多くかかりますが、学童でも流行することがあります。

また、学童以上の年齢では、多くの人がウイルスに感染してことがあるため、成人では発症することはあまりありません。

特に男子児童に多く見られます。

流行ピークは夏ですが、秋から冬にかけても少し見られます。

関連記事:夏風邪の特有の症状とは|長引く理由や治し方を解説

手足口病の症状

手足口病

発疹は口の中の粘膜や手のひら、足の裏、足の甲などに現れ、1〜3日間の発熱などが起こることがあります。

発熱

手足口病では、発熱が1〜3日間続くことがあります。

この発熱は、体内でウイルスと闘っている証で、発熱することで免疫系が活性化します。

そのため、十分な休息と水分補給が必要です。

熱が高くなったり、症状が重い場合は、医師に相談しましょう。

口腔内の水疱性発疹

手足口病の特徴的な症状の一つが口腔内の水疱性発疹です。

水疱がつぶれると、口内炎(潰瘍)ができるため口の中が痛みます。

口内炎ができると、食事や飲み物が摂りにくくなり、脱水症状を引き起こす恐れがあります。

特に軟口蓋(のどちんこの前)によくできるので注意が必要です。

口内の状態に注意し、症状がひどい場合は医師の診察を受けましょう。

全身倦怠感

手足口病では、体がウイルスと闘うため、疲れや倦怠感を感じることがあります。

十分な休息と栄養を摂りながら、体を休めましょう。

症状が重い場合は、医師の診察を受けることが重要です。

咽頭痛

手足口病では、口腔内の水疱や口内炎が原因で、喉にも痛みが及ぶことがあります。

喉の痛みがひどい場合は、のど飴などを試してみましょう。

症状が続く場合は医師に相談しましょう。

下痢・嘔吐

手足口病では、下痢や嘔吐といった消化器症状が現れることがあります。

これは、ウイルスが消化器系に影響を与えるためです。

脱水症状を防ぐために、水分補給をこまめに行いましょう。

症状が長引く場合は、医師に相談してください。

手足口病を疑う初期症状は?

手足口病

手足口病の初期症状は、感染後3〜5日後に発疹が出始めます。

口の中や手のひら、足底や足の裏などに、2〜5mmほどの水疱性の発疹ができます。

発熱の症状が出ないことも多く、体に発疹の症状が現れてから手足口病と気づくことが多いです。

口の中の発疹は痛みを伴うことも多く、喉の痛みで気づくこともあります。

また、手足口病は軽度で済む場合がありますが、免疫抑制剤を服用している場合は重症化のリスクがあります。

手足口病の症状が見られたら、医療機関を受診しましょう。

関連記事:手足口病は大人にもうつる?症状や潜伏期間を徹底解説

手足口病の潜伏期間は?

手足口病

手足口病の潜伏期間は、一般的にウイルスに感染後3~5日程度です。

原因ウイルスは主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスで、飛沫感染や接触感染によって広がります。

潜伏期間中は自覚症状がないため、知らないうちにウイルスを拡散する可能性もあるため注意が必要です。

発症すると、発熱や口内・手足の発疹が見られ、個人差はありますが、発熱や消化器症状などが様々な症状が現れます。

ウイルスは症状が治まった後も便から長期間排出されるため、感染予防には手洗いや消毒が有効です。

手足口病はうつる確率は?

手足口病の感染経路は、以下の3つがあります。

  • 飛沫感染
    感染者が会話や咳、くしゃみをすると、ウイルスを含んだ飛沫が1~2mの範囲で飛び散り、目や鼻、口に入ることで感染します。
  • 接触感染
    感染者が触れた物や肌の表面にウイルスが残ることがあり、これらを触った手を介してウイルスが目、鼻、口に入ることで感染します。
  • 糞口感染
    糞口感染は感染者の便に含まれるウイルスが口に入ることで感染します。

感染者の水疱や便には、ウイルスが含まれるため注意が必要です。

接触感染では、ウイルスに触っただけでは感染しないので、手を洗うことで感染を予防できます。

また、糞口感染は保育所などではオムツ交換の際に起こりやすい感染のため、手を洗うなどの対策が必要となります。

関連記事:ヘルパンギーナの症状や溶連菌との見分け方・熱がない場合について

大人が手足口病にかかるとどうなる?

手足口病

手足口病は、子どもよりも大人の方が、症状が重く出ることが特徴です。

大人の手足口病では以下などの症状が現れます。

  • 発疹
  • 全身の倦怠感
  • 悪寒
  • 関節痛
  • 筋肉痛

発疹は、足裏に出ると痛みが強く歩けないほどの痛みを伴うことがあります。

しかし、大人の場合、発疹が出ても手足口病と気づかないことが多く、「この発疹は何だろう?最近、体もだるいし…」といった違和感から受診するケースが少なくありません。

手足口病の原因となるウイルスは複数存在し、主に「コクサッキーウイルスA6・A16」「エンテロウイルス71」が関与しますが、「コクサッキーウイルスA10」による感染もあります。

一度かかっても他のウイルスに感染することで再発する可能性があるため、油断せず予防対策を心がけましょう。

こどもが手足口病にかかったら保育園を何日休む?

手足口病

手足口病の場合、保育園や学校への登園については、学校保健安全法において明確な基準が示されていません。

保護者からは、登園・登校の時期について多くの質問が寄せられます。

日本小児科学会の資料によれば、症状が安定し、発熱がなく、口腔内の水疱や潰瘍がなく、普段通りの食事が取れる場合は登園可能です。

そのため、ブツブツが残っていても登校制限はありません。

手足口病の感染経路は主に飛沫や便であり、ウイルス排出は1〜2週間から数ヶ月にわたることがあるため注意が必要です。

おむつ交換やトイレ後は、丁寧に手を洗うようにしましょう。

また、手足口病のウイルスはアルコールでは不活性化できないため、手洗いがとても重要になります。

関連記事:【夏だけじゃない】プール熱の症状や流行時期、コロナとの違いについて

横浜内科・在宅クリニックでできる対応

症状に心当たりがある場合は、横浜内科・在宅クリニックにご相談ください。

当院では、親身になって診察し、治療法の提案をさせていただきます。

症状が急に悪化した場合はもちろん、通常の診療時間、夜間休日の救急往診も可能です。

これにより、迅速に医療診察を受けることが可能です。

また、一度の往診だけでなく、外来診察に来ていただくことで継続的なフォローアップと長期的なサポートを受けることが可能です。

手足口病のまとめ

手足口病は夏に流行し、主に幼児に見られます。

発熱や口内炎、全身倦怠感などの症状が現れますが、感染後の潜伏期間は3〜5日です。

不安な時は病院を受診しましょう。

感染経路は飛沫や接触、糞口感染で広がりますが、手洗いが有効です。

大人も感染しますが、症状が軽く済むことが多いです。

参考文献

NIID国立感染症研究所

SARAYA家庭用製品情報|手足口病とは

まめクリニック|手足口病の初期症状や見分け方について・気がつきにくい赤ちゃんの初期症状

東京都感染症情報センター|手足口病

サワイ健康推進課|大人も要注意?深刻化する手足口病とは?

おやま小児科クリニック|手足口病はぶつぶつがあっても登園できます

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者