高血圧の原因になりやすい食事や食べてはいけないものとは?

高血圧

高血圧男といえば横浜内科・在宅クリニックでおなじみの、院長の朝岡です。

『高血圧』って誰もが口にしたことがある病気だと思います。

日本は高血圧大国です。

日本の人口の高血圧者数は約4,300万人と推定されており、日本の人口の3人に1人の割合で高血圧の方がいます。

そのうち3,100万人が実は高血圧の管理がしっかりとできていないとの報告があります。

また自分が高血圧と認識していない人は1,400万人と日本の人口の10人に1人の割合で存在しています。

もちろん様々な理由はありますが、日本人に高血圧患者が多い理由として『塩分のとりすぎ問題』が一番に挙げられます。

かなり前から日本でも食塩摂取の量を減らすように警報が出されていました。

しかし、日本での食塩摂取量は依然として多く、食塩摂取量を減らすことは非常に重要な課題であります。

最近では食文化の欧米化が進んできたこともあり、肥満に伴う高血圧患者が増加しています。

高血圧の治療で一番重要なのは薬による治療ではありません!

食生活と運動を見直すことが一番大切なので、今回はそれぞれについて話していきます。

そもそも血圧ってなに?

高血圧

血圧とは心臓から送りだされた血液が動脈の壁を押す力になります。

普段血圧測定をする場合には二の腕あたりを計測しますよね。

あれは上腕動脈と呼ばれる動脈に対する血圧を測定しています。

血圧の数値って何を示しているかしっていますか?

血圧=血管抵抗値×血流速度』といった式で規定されます。

理科の授業であった『電圧=抵抗値×電流速度』と全く同じ考えで、それが電気なのか血管なのかが変わっただけです。

血流速度とは心臓がどれだけ血液を送り出してているかです。

塩分を過剰摂取すると浸透圧の関係で血液量が増大し、血圧の上昇につながります。

もう一つ注目すべきは血管抵抗値です。

これは血液がドロドロしていたり、血管の壁が厚くなっている(動脈硬化)が起きていると上昇します。

高脂血症、糖尿病の方はこの血管抵抗値が高くなっているので注意が必要なのです。

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高血圧となる基準は?

高血圧

高血圧の基準値は大きく以下の2種類に分けられます。

✅家庭高血圧自宅で計測した血圧
✅診察室高血圧病院に受診した際に計測する血圧

実は家庭での落ち着いた状態で測る家庭血圧と比べ、病院などで緊張気味の状態で計測する診察室血圧の方が高くなります。

なので高血圧の基準はそれぞれ違い、家庭高血圧は135/85mmHg以上を高血圧と診断します。

また、 診察室高血圧は140/90mmHg以上を高血圧と診断します。

ちなみに診察室高血圧のことを白衣を着ている医者に緊張してしまうことから白衣高血圧とも呼びます。

この二つの基準をそれぞれ計測するのには理由があります。

家庭高血圧を測定するメリットは家で測定できるところです。

長期に渡って何回も測定が可能なので、季節変動による血圧変動の評価にも非常に有用です。

また起床時と就寝前に測定していただいていると、血圧の日内変動もとらえることができ、薬の選択にも役に立ちます。

診察室高血圧の方は非高血圧の方と比べ、将来的な脳心血管病イベントリスクが高くなります。

注意深いフォローが必要なので、当院ではご高齢者の方は血圧を測るようにしています。

高血圧

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高血圧かもしれない症状チェック項目

高血圧

高血圧かもしれない症状チェック項目

実は高血圧になっても、自覚症状はほとんどありません。

もちろん血圧が200程度とかなり高くなると頭痛やめまい、肩こりなどが出現することもあります。

これは高血圧緊急症といって、すぐに降圧薬などで血圧を下げた方がよいとされています。

高血圧かもしれないチェック項目

  • 家族に高血圧の方がいる
  • タバコを1日1箱以上吸う
  • 毎日、お酒をたくさん飲む
  • 運動不足だと感じる
  • 味付けに物足りなさを感じる
  • 外食が多い(週に4回以上)
  • おなか一杯になるまで食べる
  • 野菜はあまり食べない
  • 糖尿病、高脂血症といわれている

    上記に複数当てはまる方は高血圧の可能性が非常に高いので、家に血圧測定器がない場合は病院への受診をお勧めします。

高血圧の原因となりやすい食事や食べてはいけないもの

高血圧

食塩が多く含まれる食材は高血圧の原因となりやすいです。

漬物、梅干し、みそ汁、醤油など日本の家庭料理では食塩の含有量が必然的に多いです。

またラーメンなどの汁にも塩分がかなり含まれています。

2016年の国民健康・栄養調査結果では、国民1人1日当たりの食塩摂取量は平均9.9g(男性10.8g、女性9.2g)でした。

日本では男性は8.0g/日未満、女性7.0g/日未満を国内の努力目標として設定されています。

WHO(世界保健機関)では一般成人の食塩摂取量は5g/日未満にすべきといわれており、日本での食塩摂取量の多さが如実に表れていますね。

これらの塩分が多く含まれている食材はできる限り頻度を控えることをお勧めします。

コレステロールや中性脂肪が多いドロドロな血液の場合も動脈硬化を引き起こし、高血圧を引き起こします。

なので、加工肉や脂身の多い肉、魚卵やレバーの摂取も可能な限り控えた方がよいです。

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その他高血圧になりやすい原因とは

高血圧には以下の2種類があります。

✅本態性高血圧症生活習慣病としての高血圧
✅二次性高血圧症ホルモンなどの病気により高血圧になる

高血圧の90%は本態性高血圧です。

この原因としては塩分やコレステロールの食事の要因以外に以下などがあります。

  • ストレス
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 肥満
  • 運動不足
  • 野菜や果物不足

また二次性高血圧症は高血圧をきたす病気です。

腎動脈狭窄症(*1)、原発性アルドステロン症(*2)、褐色細胞腫(*3)などの病気を総称しています。

これらは、病院での精密検査を行わないと見つからない病気になります。

*1腎動脈狭窄症(じんどうみゃくきょうさくしょう)=腎臓に酸素や栄養を送る血管〔腎動脈〕が細くなること
*2原発性アルドステロン症=アルドステロンというホルモンが過剰に分泌される
*3褐色細胞腫=副腎髄質(ふくじんずいしつ)から発生する腫瘍

高血圧がまねく危険な疾患・病気

高血圧になりたての方が重大な病気に罹患することはあまりありません。

しかし、長年高血圧が続いている方の血管は動脈硬化が非常に進んでおり、全身の血管で影響をもたらします。

例えば、以下などの命の危険を及ぼす病気を引き起こします。

  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 大動脈解離
  • 大動脈瘤
  • 心筋梗塞
  • 腎硬化症
  • 眼底出血

日本では高血圧に起因する脳心血管死亡者数は年間約10万人ほど存在しています。

高血圧が脳心血管病死亡の要因として最大です。

脳心血管病死亡者の約50%ほどが、120/80mmHgを超える血圧高値に起因するものと推定されています。

そのことから、医師による精密な降圧コントロールが必要なことが十分に伝わるデータではないでしょうか。

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高血圧を改善するための食事メニューや運動は? 

高血圧

高血圧を改善するために一番必要なのは『食生活を変えること』と『運動をすること』です。

減塩の目標は食塩6g/日未満、野菜と果物の摂取量は350g/日、お酒はアルコール量として1日20ml程度に設定することが大切です。

また、カリウムやマグネシウムなどのミネラル、食物繊維、タンパク質、ビタミンなどの栄養素をバランスよく接種することが重要になります。

以下【食事メニューの例】のような食事を心がけることで、高血圧の改善が期待できます。

【食事メニュー例】

  • 朝食:玄米、納豆、野菜サラダ、豆腐
  • 昼食:鶏肉のグリル、ブロッコリー、トマト、玄米
  • おやつ:フルーツ、ナッツ類
  • 夕食:魚の蒸し焼き、野菜炒め、玄米

運動に関しては、散歩やジョギング、自転車にのること、ラジオ体操、スポーツなどの軽い有酸素運動が血液の流れを良くし、肥満を避けることにもつながります。

BMIも25未満を目指すように運動しましょう。

また喫煙も動脈硬化の原因となりますので、禁煙も併せて行うことをおすすめします。

>>OMRON【血圧改善メニュー】

横浜内科・在宅クリニックでの対応方法

高血圧の診断治療において非常に重要なのが、丁寧な問診と身体診察になります。

当院ではこちらを時間かけて行います。

必要な方には採血、尿検査を行うことで、腎臓や肝臓などに臓器障害が起きていないかチェックを行います。

必要な方にはより精密な採血検査、心電図、腹部超音波検査、頸動脈超音波検査を行います。

横浜内科・在宅クリニック院長 朝岡が実際に経験した例!

高齢のおじいさんが、血圧が高いのが気になるといって受診されました。

血圧は200台で話しを聞いてみると、どんな料理にも醤油などの調味料かけて食べ、塩分の多い梅干しや漬物も大好きとのこと。

すぐに食生活の改善をはかり、複数の降圧薬が開始となりました。

今では自分の偏食を理解されており、塩分は控えめになっており、1種類の降圧薬の内服のみで経過を良く過ごしています。

まとめ

今回は高血圧の病態や合併症などについて詳しく解説させていただきました。

また、高血圧の原因になりやすい食事や運動習慣についても列挙させて頂きました。

高血圧は3人に1人はなる病気です。

放置していると合併症が非常に怖い病気にもなります。

いつでもご不安がある方は当院にご相談くださいね。

 参考文献

‣高血圧治療ガイドライン 2019

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この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 院長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者