ワキガ臭を抑える対策とは？セルフと医療による正しいケアを医師が解説

A.デオドラントの使い方を少し工夫するだけで、においの感じ方が大きく変わります。
ワキのにおいは、汗×皮脂×皮膚常在菌が混ざり合うことで発生します。 
スプレータイプは、振りかけるだけで楽という反面で、
・揮発しやすい
・汗で流れやすい
という特徴があり、持続力が弱く、「最初だけ効く」状態になりやすいのが特徴です。
 改善点としてはまず大前提として、乾いた状態で使用することをおすすめします。汗をかいた後に使うと効果が薄れるため、「汗をかく前」の状態で使いましょう。
制汗剤であれば、ロールオンやクリームタイプを併用することがおすすめです。
市販スプレーだけでは「効果が一時的＋ムラができやすい」ため、再びにおいが出やすいといったデメリットがでてきてしまうんですよね。
クリーム・ロールオンタイプだと皮膚密着度が高く、汗に強いため、持続しやすいです。

A.入浴方法や日常のケアを少し見直すだけで、においの感じ方が変わるケースは十分あります。
においの強さ＝脇の清潔さとは比例しません。洗い方を変えるといった、少しの工夫で匂いが改善する可能性が高いです。
まず、脇のにおいは、「汗」「皮脂」「常在菌」「角質」「衣服のにおい」など複数の要因が重なることで生じます。入浴で汗と汚れは落ちても、皮脂と菌が反応してできた“においの元”が肌に残っている場合は、洗った直後でも残り香のように感じてしまいます。
特に多いのは、残り香をしっかりと落とすためにゴシゴシ強く方がいらっしゃいますが、逆に角質が厚くなり、においが付着しやすくなります。『泡で包むように洗う』ことが非常に大切です。
そして、日常のケアで取り入れやすいのは入浴後の乾いた状態で制汗剤を使うことです。
脇が湿った状態で制汗剤を使用すると、成分が薄まり、汗腺にしっかり密着しないため、効果が実感しにくくなります。
「汗をかく前に」「乾いた肌に」が基本です。

A.ワキガは「先天的な遺伝の影響を受けやすい体質」と、「後天的な生活習慣による影響」の両方が関係しています。
遺伝的な体質があったとしても、制汗剤を使用する、摩擦を避ける、食事のバランスを整えるなど日常ケアを見直すことで臭いを防ぐことは十分に可能です。
ワキのにおいは、
・アポクリン汗腺の量や大きさ
・皮脂の分泌量
・皮膚常在菌のバランス
などの体質的な要素に左右されます。
これらは遺伝の影響を受けることが多いため、ご家族に同じ悩みがある方は似た特徴が出やすい傾向があります。
ただし、遺伝＝必ず臭いが強く出るわけではありません。
体質はあくまで「においが発生しやすい条件が揃いやすい」というだけで、においの強さは日常のケアで大きく変化します。
油っぽい食事の摂取により皮脂の分泌量が多くなったり、臭い成分の発汗がしやすくなります。

A.動物性脂肪や油の多い食事を控えたほうがいいのは本当です。
ただ、食生活は脇のにおいに“影響することはある”ものの、それだけで劇的に改善するわけではありません。
なぜかというと、脇の臭いは「汗」「皮脂」「常在菌」などが組み合わさって発生します。
そのため、動物性脂肪や油の多い食事をとると、体の皮脂分泌が増え、常在菌と反応し、強く臭いが出ます。
食事としては、完全にやめる必要はなく、頻度を少し減らすだけでも違いを感じる方が多いです。

A.まずお伝えしたいのは、受診する＝重症ということでは全くないですし、においに関する不安を軽くするために、気軽に相談される方もとても多いです。
日常生活への影響度が生じているタイミングがは相談のタイミングと考えて問題ありません。
医療機関では以下のような検査が行われます。
① 問診（生活習慣・いつから・強さの変化など）
② 視診（汗腺の状態・わきの肌状態）
③ においの強さの評価
治療は主に外用薬、内服薬、ボトックス注射、手術となります。医療機関によってご提案方法が変わる為、まずはお気軽にご相談していただくことをおすすめいたします。

A.治療後ににおいが落ち着くケースはもちろんありますが、“戻ったように感じる”ことが多く、その後に再度同じような訴えをされる方がいます。
ただし、その多くが“完全な再発”というより、生活環境や肌状態によるにおいの強弱の変化であることが多いです。
また実際に高額なミラドライや手術を受けられる方は、精神的に不安定な方も多いことも関わってきます。
原因である精神疾患の治療をまずは行うことが重要です。
実際に施術を受けられる方は中高年の男性よりも、若～中年の女性のほうが圧倒的に多いです。
ミラドライの場合は切開しないため、傷跡として残る可能性はありません。
しかし、一時的に腫れやむくみなどが出ることはありますが、多くは時間と共に落ち着きます。
再発に関しては、アポクリン汗腺の一部が残っていた場合の「残存臭」と生活環境・ホルモンバランスの変化による「におい戻り」があります。
手術（剪除法）の場合は皮膚を切開するため、細い線状の傷は残ります。体質によっては赤みが残ることもあります。
汗腺を丁寧に除去しても、100％取り除くことは非常に難しいため、少量の汗腺が残る場合があります。
これが“におい戻り”として感じる原因のひとつですが、治療前より軽くなることがほとんどです。
治療後のにおい戻りは、生活習慣や肌状態も大きく関係しますので、通気性の良い衣類を選んだり、入浴時に強くこすらないよう注意し、セルフケアをしっかり行うことが大切です。