かゆみ止め市販薬ランキング|市販薬の種類や注意点を医師が徹底解説!

肌が赤くかゆくなって困った経験はありませんか?

皮膚がかゆくなる原因は様々で、それぞれの原因の治療はもちろん異なります。

しかし、かゆみのみを抑えることはかゆみ物質であるヒスタミンを抑えることで可能になったりします。

また肌にかゆみが生じる主な原因の多くは、肌のバリア機能の低下です。

バリア機能を低下させる要因は、花粉やストレスの影響など様々です。

市販の皮膚薬には、かゆみを止める成分のほか、皮膚の炎症を抑える成分、刺激に弱くなった皮膚を修復し、バリア機能を回復させる成分などが配合された薬もあります。

症状はもちろん、使用する部位や塗り心地の好みで選ぶこともできるので、それぞれの種類について説明していきますね。

かゆみ止め市販薬の種類

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、皮膚のかゆみや鼻水等のアレルギー症状を引き起こす原因物質の『ヒスタミン』を抑えることで、アレルギー症状を改善する医薬品です。

市販されている抗ヒスタミン薬は大きく第1世代と第2世代に分けられます。

第1世代は即効成に優れていますが、口の渇きや排尿障害なとの抗コリン作用が副作用としてあります。

また多くの場合で眠気がといった副作用が生じる可能性があります。

第2世代は、第1世代に比べ効果が穏やかではありますが、作用時間が長く効果が持続しやすい特徴があります。

注意事項への該当がなく、症状をすぐに抑えたい方には第1世代、副作用が気になる方や1日の服用回数を少なくしたい方には第2世代がお勧めです。

ステロイド外用薬

ステロイド外用薬は、湿疹や接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などの治療に利用される万能な外用剤です。

かゆみや赤みの原因となる物質の産生を抑えてくれる抗炎症作用や免疫抑制作用などの効果があります。

また、ステロイド外用薬を適切に使用すれば、ステロイドの内服剤の副作用で気にされているような糖尿病や腎不全といった副作用は起きにくいとされています。

ステロイド外用剤はその効果をもとに5段階に分類されており、炎症の度合いや発生している部位にあわせて、適切なステロイドを選択することが大切です。

顔などの皮膚が薄い箇所に強いステロイド外用薬を使用することで、ステロイドによる皮膚炎などを生じてしまう可能性があります。

非ステロイド外用薬(NSAIDs外用薬)

炎症を抑え、痛みを和らげるために使用される薬でいわゆる湿布の塗り薬バージョンになります。

通常、急性湿疹、アトピー皮膚炎、帯状疱疹の治療に用いられますが、ステロイド外用薬を塗る程ではない軽度の皮膚炎に塗るのに適しています

使用時の注意点としては、長期間にわたって過剰に使うことを避け、皮膚に傷がある部位には使用をさけることが大切です。

保湿剤

健康な肌には肌の水分を保持したり、乾燥を防ぐためにバリア機能があります。

保湿剤は、乾燥肌や敏感肌を保護し、健康的な肌を維持してくれます。

保湿剤を選ぶ際には、肌質や症状に応じたものを選ぶことが大切です。

例えば、敏感肌の方には香料やアルコールが含まれていない製品を選ぶとよいでしょう。

また、乾燥がひどい時期や季節には、油分の多いクリームやバームタイプを使うと効果的です。

入浴後に使用すると保湿効果がさらに高まります。 

関連記事:市販で買えるステロイドの強さは?市販でおすすめのステロイドをランキング形式で紹介

かゆみ止め市販薬ランキング【抗ヒスタミン薬編】

1位:第一三共ヘルスケア アレルギール錠 

第1世代ヒスタミン成分の4種類の有効成分が入ってます。

広範囲の皮膚のかゆみがある方におすすめです。

4歳以上から服用できます。

授乳中の方も服用可能です。 

2位:久光製薬 アレグラFX 

第2世代抗ヒスタミン成分のフェキソフェナジン塩酸塩が、花粉症などによる鼻水や鼻づまりなどのアレルギー症状に長く効きます。

眠くなりにくい成分なので、車の運転前にも服用が可能です。

授乳中の方は服用不可です。

3位:アレグラFXジュニア

7歳以上の子どもから使用でき、眠くなりにくく集中力が下がりにくいお薬です。

花粉症などによる鼻水や鼻づまりなどのアレルギー症状に1日2回の服用で長く効ます。

授乳中の方は服用不可です。     

かゆみ止め市販薬ランキング【ステロイド外用薬編】

ステロイド軟膏は患部の炎症を抑える作用にすぐれ、皮膚疾患の治療に幅広く使用される医薬品です。

作用の強さにより5段階にクラス分けされています。

ステロイドクラス(強さ)

ウィーク<ミディアム<ストロング<ベリーストロング<ストロンゲスト

これらはステロイド成分による血管収縮作用の強さによる分類で、「ストロンゲスト」に向かうにつれて作用が強くなります。

同じクラスの成分でも、使用する体の部位によって皮膚からの吸収率が異なるため、効果や副作用の発現率が変化するため注意が必要です。

市販薬として購入することができるステロイド軟膏は、ステロイドの分類で「ウィーク」「ミディアム」「ストロング」3クラスの成分に限られます。

ステロイド軟膏の強さは、肌のタイプ・症状の程度で選びましょう。

乳幼児や高齢者は、成分の吸収率等を考慮し弱いステロイドを選ぶ必要があります。

1位:田辺三菱製薬 フルコートf 

化膿した皮膚の炎症をしっかり抑えたい方にお勧めです。

有効成分に「ストロング」クラスのフルオシノロンアセトニドを配合し、優れた抗炎症作用を発揮します。

また抗生物資のフラジオマイシン硫酸塩を配合し、化膿した患部や掻き壊してしまった部位にも使用することができます。

2位:田辺三菱製薬 コートf AT軟膏 

4種類の有効成分が、我慢できない痒みや湿疹、かぶれに効果あります。

2歳以上を目安で使用できます。

3位:田辺三菱製薬 コートf MD軟膏

有効成分にステロイド成分のプレドニゾロンと炎症を抑えるグリチルレチン酸を配合しており、おむつかぶれや湿疹等の赤ちゃんの皮膚トラブルにも効果あります。

防腐剤・アルコールフリーなので、デリケートな肌にも使いやすいです。

関連記事:アレルギー薬に強さの違いはある?タイプ別おすすめ市販薬ランキング

かゆみ止め市販薬ランキング【非ステロイド外用薬編】

ステロイド外用薬を使用せずに炎症を抑えたり、かゆみを抑えるために使われます。

かゆみの原因となる炎症を和らげるため、皮膚に塗ることで直接的に効果を得られ、多くはアレルギー反応や湿疹、皮膚の炎症によるかゆみに対応します。

ステロイド系の薬に比べて副作用が少ないとされているため、長期間の使用や顔などのデリケートな部分にも使用しやすいという利点があります。

1位:池田模範堂 デリケアエムズ

  汗やムレなどによるムズムズしたデリケートエリアの痒みに使いやすい軟膏です。

クールな爽快感が痒みをすばやく鎮め、3種類の有効成分が効果を発輝します。

さらっとベタつかないクリームタイプです。

生後3か月以上での使用は可能です。

2位:興和 新レスタミンコーワ軟膏

 かゆみを抑えるジフェンヒドラミンが配合されており、かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑えます。

かゆみの緩和・抗炎症作用・かぶれや湿疹の改善に効果があります。

柔らかく伸びやすい乳剤性軟膏のため、広い範囲にも塗りやすいです。

また、無香料・無着色で肌に優しい製剤のため使いやすいです。

3位:ユースキンⅠ 

 全身のカサカサした肌のかゆみに使用できる、しっとり感のあるかゆみ止め治療薬です。

抗炎症作用があるので、かゆみや赤み、腫れなどの炎症症状を軽減します。

無香料・無着色であり、敏感肌の方にも使いやすいのが特徴です。

日常的なスキンケアとして使うことができ、乾燥による肌のトラブルを防ぎます。

生後3か月以上のお子様にもご使用できます。

かゆみ止め市販薬ランキング【保湿剤編】

1位:健栄製薬 ヒルマイルド(第2類医薬品)

保湿成分のヘパリン類似物質を0.3%配合した乾燥肌治療薬です。

保湿・血行促進・抗炎症の3つの作用があり、顔や手足の乾燥に使用できます。

使用部位・使い心地の好みに合せて4つのタイプから選べます。

肌が乾燥しやすい乳児からご高齢の方まで、年齢性別を問わず、ご家族で使用できます。

2位:テイコクファルマケア ビーソフテンクリーム

肌の水分保持機能へ働きかけて潤った状態に導き、抗炎症作用も期待できます。

無香料・無着色で、敏感肌の方や乳幼児にも使いやすいです。

3位:ロート製薬 ヘパソフト

主に皮膚のかゆみや炎症、湿疹、あせも、かぶれなどの症状に使用される外用薬です。

入浴後や就寝時など、体が温まった時にかゆくなってしまう乾燥肌のケアにおすすめです。

血行を促進する成分が含まれており、これが皮膚の修復をサポートし、血行の改善をすることで、傷の回復を早めたり皮膚の健康を保持します。

関連記事:乾燥による肌荒れはどうして起きるの?原因や治す方法をご紹介

かゆみ止め市販薬を使用する際の注意点

使用時は、用法・用量を守って使用してください。

塗薬の場合、こまめに塗ってもかゆみがすばやく治るわけではありません。

過度な使用は副作用リスクを上げてしまう要因になってしまいます。

市販薬を使用しても症状が改善されない場合や症状が悪化してしまう場合は、市販薬を複数併用するのではなく、皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。

まとめ

かゆみ止めには様々な種類があり、使用目的や症状によって選ぶべき製品が異なります。

妊娠中や授乳中の方、お子様が使用する際は、対象年齢や使用上の注意も読んだ上で購入しましょう。

「かゆい!」となった時に我慢できず、掻いて傷になる、というのはよくありません。

体のかゆみは時に日常生活に影響しますし、不眠やストレスの原因にもなります。

かゆくなる原因が必ずありますので、その原因に対して、早期に対応することがかゆみを悪化させないために重要になってきます。

この記事が少しでも皆さまのお役に立てたら幸いです。

この記事の監修医師

朝岡 龍博

横浜内科・在宅クリニック 理事長:朝岡 龍博 医師 

▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

『クリニックに関わる全ての人を幸せに』
『最後まで患者様と病気と向き合います』

【経歴】

・2016年 名古屋市立大学卒業、豊橋市民病院 初期研修医勤務
・2018年 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
・2020年 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
・2021年 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
・2022年 西春内科・在宅クリニック 副院長
・2023年 横浜内科・在宅クリニック 院長
・2025年 医療法人 幸龍家 理事長

【資格】

・舌下免疫療法講習会修了
・厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
・緩和ケア研修会修了
・難病指定医
・麻薬施用者